研究課題/領域番号 |
18820013
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
清田 淳子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, リサーチフェロー (30401582)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,330千円 (直接経費: 2,330千円)
2007年度: 1,020千円 (直接経費: 1,020千円)
2006年度: 1,310千円 (直接経費: 1,310千円)
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キーワード | 日本語教育 / 年少者 / 言語少数派生徒 / 教科学習支援 / 指導ストラテジー / 国語 / 母語活用 / 教科・母語・日本語相互育成学習 / 言語少数派 / 内容重視 |
研究概要 |
本研究は、公立中学校の国際教室で言語少数派生徒の取り出し指導を担当する教師が、どのような指導ストラテジーを用いて教科学習支援を行っているかについて検討した。 分析対象とした授業は教科課程内の枠組みの中で行ったもので、具体的には、平成18年7月から翌年3月にかけて4名の生徒(中国、メキシコ、ブラジル出身)を対象に、週1回、母語を活用した「国語」の学習支援を実施した。申請者は参与観察を毎回行うとともに、録音・録画等によるデータを収集した。また、授業者に対するインタビュー調査も併せて行った。 19年度は収集したデータをもとに分析を進めた。その結果、教師は非言語的なストラテジーと言語的ストラテジーの両方を使って教材文のキーワードやキーセンテンスの理解を促すとともに、明示する、整理する、関連づけるなどのストラテジーを用いて教材文全体の筋が把握できるように働きかけていた。また、学習課題をめぐるやりとりを促すために、子どもの返答がまちがっていたりその内容が不十分であった場合、安易に正答を提示せず、課題を言い換えたり質問を重ねることで正しい理解に導いていた。そして正しい答えが返ってきた場合でも、重要語彙の意味を問い直したり答えの根拠を求めるなどして対話を発展させていた。さらに、教師は「母語使用を受け入れるストラテジー」を用いて、子どもや母語支援者の主体的で自発的な母語使用を受け入れていることも確認された。 以上のことから、言語少数派生徒を対象とした「国語」支援では、年長の子どもに対しても非言語的なストラテジーを用い、特に抽象概念や高度な学習内容を扱う揚合には生徒や母語支援者の主体的な母語使用を受け入れ、そして生徒の考えを引き出し対話を発展させていくようなストラテジーの使用が重要であることが示唆された。
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