研究課題/領域番号 |
18820015
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
各国文学・文学論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久保 昭博 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (60432324)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,780千円 (直接経費: 2,780千円)
2007年度: 1,390千円 (直接経費: 1,390千円)
2006年度: 1,390千円 (直接経費: 1,390千円)
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キーワード | 文学ジャンル / 文体 / 文学理論 / ジャンル |
研究概要 |
1)文献収集と分析。文体論、様式論、文学ジャンル論に関する文献収集を、フランス語、英語、日本語のものに関して行った。調査のために、日本の各大学や研究機関、フランス国立図書館などに赴いたのみならず、インターネットや電子データベースを活用した。この作業により、文体・様式・ジャンルそれぞれの概念の共通点と差異について見取り図を得ることができた。またそれぞれの概念の歴史的、文化的、社会的な射程についての考察を通じ、文学・芸術理論を歴史的、比較文化的な視点から研究する方途を見いだすことができた。2)学会発表、論文。上記の理論的な考察の検証を、作家研究というアプローチを通じて行った。文学ジャンルという美学的体系がいかに歴史的、文化的な価値体系に基づいているかを、レーモン・クノーによるジャンルと文体の混淆という試みから逆説的に明らかにした。論文は学会報告を基にしたもの。3)その他の活動。学会(日本フランス語フランス文学会)、京都大学人文科学研究所共同研究班にて、本研究に関連するワークショップ、報告を行った。理論的な側面では、ドイツの文学理論家ケーテ・ハンブルガーの著作(『文学の論理』)を分析し、文学ジャンル論と物語論との接点について報告を行った。実践的な分析としては、シャルル・バイイやジョゼフ・ヴァンドリエスの文体論・言語学の反響を、第一次世界大戦をテーマにしたフランス小説の文体的実験(とりわけアンリ・バルビュスやルイ=フェルディナン・セリーヌの諸作品)のなかに探求することによって、文学ジャンルの展開と文体論の理論的展開を並行して捉え、さらにその歴史的背景を明らかにした。
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