• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

本圀寺と西教寺に伝来する花鳥獣刺繍に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18820021
研究種目

若手研究(スタートアップ)

配分区分補助金
研究分野 美学・美術史
研究機関京都市立芸術大学

研究代表者

吉田 雅子  京都市立芸術大学, 美術学部, 准教授 (40405238)

研究期間 (年度) 2006 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,790千円 (直接経費: 2,790千円)
2007年度: 1,390千円 (直接経費: 1,390千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード美術史 / 工芸 / 染織 / 中国 / 大航海時代
研究概要

本年度は、中国で明代後期から清朝に制作された花鳥獣刺繍と関係が深い品々のうち、欧州に渡来した資料を調査した。調査期間は9月29日から10月12日まで、調査地はミラノ、キャヴァリ、ジェノヴァ、マドリッド、リスボンであった。また10月1日から3日までコモで開催された染織の国際学会(CIETA)に参加し、関連分野の研究者と輸出用刺繍に関して意見を交換した。さらに欧州で調査した作品のうち代表的な作例をとりあげ、論文「サン・ジョヴァンニ・バティスタ教会とエル・エスコリアル修道院に伝来する輸出用刺繍」にまとめた。
サン・ジョヴァンニ・バティスタ教会には花鳥獣の刺繍布が伝来している。調査の結果、中心の布は中国製の特徴を有しており、日本に伝来する本圀寺掛布や西教寺打敷と近似していることが明らかになった。縁布は欧州製の特徴を有しており、コスタグータ家の紋章が表されている。1651年にアレッキ・コスタグータがこの布を教会に寄進し、この布はマリア像の上にかける天蓋として用いられた。本圀寺掛布や西教寺打敷は、中国の広州で作られ、日本にもたらされて仏教寺院で用いられた。一方バティスタ教会の作品は、同じ広州で制作された後欧州に運ばれて、キリスト教会で用いられたものである。
サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院には、フィリペ2世の娘のイザベル・クララ・ユーヘニア(1566-1633)の寝台を装飾していた花鳥獣刺繍の掛布が伝来している。調査の結果、この刺繍はインド製輸出用品である可能性が高い事が明らかになった。本圀寺掛布や西教寺打敷の類品には、インド製輸出用品と関係するものがある。しかしインド製輸出用品の特徴が今まではっきりわからなかったため、それらの位置づけを考えることができなかった。制作年代を限定できるこの作品の調査データは、今後インド製輸出用品とその類品を考える上で大変貴重である。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] サン・ジョヴァンニ・バティスタ教会とエル・エスコリアル修道院に伝来する輸出用刺繍2008

    • 著者名/発表者名
      吉田雅子
    • 雑誌名

      研究紀要 京都市立芸術大学 美術学部 52号

      ページ: 57-60

    • NAID

      40016594372

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 西教寺や本圀寺に伝来する花卉鳥獣文様刺繍 -制作地と制作目的をめぐって-2007

    • 著者名/発表者名
      吉田雅子
    • 雑誌名

      京都造形芸術大学紀要 11号(印刷中)

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

URL: 

公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi