研究課題/領域番号 |
18820034
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 佐賀大学 (2007) 早稲田大学 (2006) |
研究代表者 |
鬼嶋 淳 佐賀大学, 文化教育学部, 講師 (60409612)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,020千円 (直接経費: 2,020千円)
2007年度: 920千円 (直接経費: 920千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 日本史 / 占領期 / 所沢地域 / 日本共産党 / 軍事基地 / 社会運動 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に調査・収集した史料群の補足調査を行い、それを利用して学会報告、および論文を執筆した。 1.アメリカ国立公文書館において、埼玉県に進駐した米軍実戦部隊・地図・写真について補足調査を行った。さらに、国立国会図書館で埼玉軍政部関係の史料を収集、国立公文書館で所沢米軍基地に関する史料などを収集した。 2.地域社会側の史料として、所沢米軍基地周辺で活発な社会運動を展開した日本共産党所沢細胞や所沢共同闘争委員会の機関誌類、日本共産党埼玉県委員会、埼玉西部地区委員会関係史料(「大島慶-郎関係資料」)を整理した。 3.1と2の史料群を利用して、 (1)朝鮮戦争勃発前後の所沢地域社会の変容を、地域に米軍基地があるがゆえに受けた影響と、都市化の影響の両側面に注目して明らかにした。これまで朝鮮戦争自体の分析に比べ朝鮮戦争下の地域社会に関する研究は少ない。本研究では、戦後の地域社会が朝鮮戦争の影響を受けながら変容したことを明らかにした点で重要である。 (2)朝鮮戦争勃発前後になると所沢米軍基地への輸送量が増大したため、所沢地域では町の中心地にある駅が廃止された。ここでは地域社会の住民は利用者の立場から駅の廃止に反対していたこと、だが運動組織は軍事基地化反対というスローガンを強調して地域住民を組織しようとしたことを明らかにした。こうした意識・主張のすれ違いは、さらに地域社会の変容と関連して大きくなっていった。本研究は、敗戦直後活発であった社会運動が占領期後半に後退していく過程を運動組織や地域社会の変容に即して内在的に分析した点で意義がある。そのことは、近年盛んに議論されている「1950年代社会論」や1950年代の社会運動史研究の前提、あるいは基礎的研究として重要である。
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