研究課題/領域番号 |
18820050
|
研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
|
研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
大谷 麻美 奈良大学, 教養部, 講師 (60435930)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2007年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 謝罪 / 感謝 / 日本語 / 英語 / 発話行為 / 談話 / 心理 |
研究概要 |
19年度は、昨年収集した日本語と英語の謝罪と感謝の談話データを文字化し、分析を行い、分析結果を学会発表と論文の形式で発表した。 従来単一発話に注目して論じられてきた謝罪と感謝を談話のレベルから考察することで、これらの発話行為の特徴を明らかにしようと試みた。特に、異文化間での発話行為の特徴についてはこれまでほとんど論じられてこなかった。しかし、謝罪を談話のレベルから分析し、またフォローアップインタビューから話者心理を明らかにすることで、日本語と英語とではこれまで全く同じ行為として考えてこられた謝罪や感鮒が、両言語間でずれがあり、その行為特徴に文化ごとの差異がみられることを明らかにした。また、その結果、談話構成にも違いが表れることを指摘した。 具体的には、英語の謝罪談話には、謝罪者が相手に負わせた損害や迷惑を回復しようとする癸話が多く見られた。しかし、謝罪の定型的な発話は必ずしも多く現れず、その重要性は日本語で期待されるほどではなかった。フォローアップインタビューでも、英語話者は、謝罪の定型表現の多用はしちじらしいと考え、負わせた損害や迷惑毒回復することで責任を果たすことを重要とみなしていた。これは、日本語の謝罪が相手に損害を被らせたことを認める行為である点とは大きく異なり、両言語の謝罪という行為にずれが見られることが明らかとなった。このような異言語間での発話行為のずれは、単一の謝罪発話だけに着目していたのでは明らかにはならないが、談話の量的な分析とそのフォローアップインタビューからきめ細かに話者の意識と談話構成を分析することで明確にすることができた。このような発話行為のずれを解明することで、異文化問で生じる誤解を解消することに役立ち、また、外国語教育、異文化間コミュニケーション教育にも貢献できる部分が大きい。
|