研究課題/領域番号 |
18820057
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
板倉 史明 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, フィルムセンター, 研究員 (20415623)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,120千円 (直接経費: 1,120千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 620千円 (直接経費: 620千円)
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キーワード | 映画 / フィルム / 復元 / 移民 / 伴武 / フィルム・アーカイブ / 保存 |
研究概要 |
2007年初頭に全米日系人博物館から東京国立近代美術館フィルムセンターへ移送された124本の映画フィルム(伴武の遺品である「バン・コレクション」の一部)の調査を実施し、2007年12月に正式にそれらのフィルムの寄贈手続きが完了した(1本のみ可燃性フィルムであった)。調査の結果、入江たか子主演の無声映画『月よりの使者』(1934年)や、時代劇映画の巨匠・伊藤大輔監督の『薩摩飛脚』(1938年)をはじめとして、これまで日本では失われていたと思われていた1930年代の日本映画のフィルムが10本以上ふくまれていることが判明した。第二次世界大戦以前の日本映画はきわめて残存率が低いため、これらのフィルムは日本映画史の欠落を埋める大きな「発見」である。また、『GeishaGirl』(1933年)という日米合作映画には、1910年代にハリウッドで俳優として活躍していた青山雪雄が脚本家として参加しているが、この作品はこれまでその存在さえ知られていなかった珍しいものである。 寄贈された「バン・コレクション」のフィルムは、現在フィルムセンターのフィルム保存庫において安全かつ恒久的に保存されている。ただし、ほとんどのフィルムは製作されてから70年以上の年月が経過しているためにひどく劣化しており、そのまま上映ることができない状態にある。そのため一部のフィルムを35mmフィルムに複製して恒久的な映像の保存をおこなうとともに、上映用プリントを作成して一般に公開できるようにし、2008年4月から開催予定の「発掘された映画たち2008」で上映る予定である。 復元したフィルムの冒頭に、「このフィルムは、2007年に全米日系人博物館から東京国立近代美術館フィルムセンターへ寄贈され、その元素材より復元した「伴武コレクション」の一部である。」という字幕を作成し、挿入する予定である。
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