研究課題/領域番号 |
18830050
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
氏間 和仁 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (80432821)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,640千円 (直接経費: 2,640千円)
2007年度: 1,320千円 (直接経費: 1,320千円)
2006年度: 1,320千円 (直接経費: 1,320千円)
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キーワード | ロービジョン / 弱視 / 漢字 / 教材 / 文字認知 |
研究概要 |
【研究成果の具体的内容】 臨界文字サイズ(CPS)の構造が複雑な(画数が多い)漢字と構造が単純な(画数が少ない)漢字の知覚特性について調べた。晴眼者では構造複雑漢字の認知を構造単純漢字の先行情報が助けるが、ロービジョン(LV)者ではこのことがみられなかった。漢字の複雑さにおける線幅の違いが文字の構造の知覚のしやすさに及ぼす影響について確かめた。線幅を細い、中くらい、太いで比較すると、晴眼者ではどの漢字の複雑さでも線幅が中くらいが最も小さいサイズで知覚されるが、白濁フィルタ下では、構造が単純だと細い条件が、構造が複雑だと太い条件が知覚されにくいことが分かった。これらのことは論文に発表した。フロスティッグ視知覚発達検査、図形書き取り調査、漢字書き取り調査、漢字教材実証調査を全国の盲学校等で行った。全国23校、43名の児童に協力いただいた。結果よりLV児は漢字の構造的な間違いが多いことや視知覚発達検査との関係が見られることが分かった。これは現在投稿中である。この後、図形書き取り調査の結果に基づいた漢字教材作成ソフトを開発し効果を調査した。図形書き取り調査に基づいて文字サイズを設定した教材により学習が進む群と、そうでない群が存在していた。 【意義・重要性】 これまで、漢字教材の文字サイズ決定に際しては、教師の経験に基づいて設定されていた。本研究は次の点で教育に貢献できる。(1)LV児の多くはCPSでは構造が複雑な漢字の知覚が十分でない、(2)LV児は文字の複雑さに応じて文字の線幅を調整するとより小さい文字で構造を知覚できる、(3)図形書き取り調査などの結果を用い漢字の複雑さに応じた教材を作成すると効果のあるLV児がみられる、(4)視知覚発達と漢字の構造エラーに関連があることから、視知覚発達を考慮した漢字指導が必要なLV児が存在する。ソフトを配布中である。今後も教育現場の声を取り入れて改善を継続する。
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