研究課題/領域番号 |
18830061
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
福川 信也 長崎県立大学, 経済学部, 講師 (00433409)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,510千円 (直接経費: 2,510千円)
2007年度: 1,260千円 (直接経費: 1,260千円)
2006年度: 1,250千円 (直接経費: 1,250千円)
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キーワード | イノベーション / 産学連携 / 特許 / スピルオーバー / 研究開発 / 大学知 / 地域 / 共同研究 / 地域イノベーションシステム |
研究概要 |
地域における大学と企業との連携、およびその経済効果が、近年政策的、学術的関心を集めている。政策的には、イノベーションがいっそう重要となる21世紀の日本経済に於いて、大学で生み出される知識を円滑に産業化することで、新しい産業や雇用が創出されることが期待されている。学術的には、どのような条件下で大学から産業への知識移転は円滑に進むのか、産学連携が盛んになることで大学の研究指向は影響を受けるのか、などの問題が論じられてきた。本研究では、先行研究のサーベイを踏まえて、以下の課題に取り組んだ。第一に、大学で行われる研究は、産業の研究開発やその成果にどのような影響を与えているのか。第二に、大学で生み出される知識(大学知)が産業に波及する効果は、地理的距離に制約されているのか。第三に、大学と企業との共同研究は、大学から産業への知識移転の径路として重要な役割を果たしているのか。NBER米国特許データなどに基づく技術分野別パネル分析から、以下の点が明らかになった。第一に、大学での研究が産業のイノベーションに与える影響には、技術特性がある。医薬とコンピュータにおいては、大学での研究が産業イノベーションの質(特許の自己引用を除く被引用件数)に有意な影響を与えているが、その他の技術分野ではそうした効果は観察されない。第二に、大学での研究が産業に波及する効果がどの程度地理的距離に制約されているかについても、技術特性がある。医薬では、地域の産業のイノベーションに有意な影響を与えるのは同じ地域の大学知であり、地理的に離れた地域の大学知は影響を与えない。第三に、共同研究に表される産学連携は、地域の大学知が産業に波及する径路として重要ではない。大学と産業の地理的近接が産業のイノベーション促進に重要な役割を果たす医薬においても、地域内産学共同研究件数は、その地域の産業のイノベーションに有意な影響を与えていない。
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