研究概要 |
本研究では,教師個人のカリキュラムマネジメントの力量,特に主任層のそれに焦点をあて,カリキュラムマネジメントの力量の内実は何であるか,そしてそれはどのような過程で,何が要因となって形成されるのかについて,カリキュラムマネジメント、モデル(田村2005)を枠組みとして明らかにし,さらには学校における力量発揮(カリキュラムマネジメントの効果的な実行)の阻害要因を明らかにするために,次の5つの質問紙調査を実施した。 1.教務主任対象。教務主任はカリキュラムマネジメントの大半の要素に関与していること,教務主任の関与についてもカリキュラムマネジメント、モデルによって分析可能なこと,教務主任の関与の度合いの高い要素については学校の達成度が高くなることなどを明らかにした。 2.教務主任対象。カリキュラムマネジメント実行上の課題(阻害要因)およびカリキュラムマネジメントの実効性をあげるために教務主任自らが形成したいと願っている力量の内容を明らかにした。 3.教務主任対象。カリキュラムマネジメントの力量の形成時期と形成機会を分析した。 4.全国のカリキュラム、リーダー(教諭や指導主事)対象。カリキュラム.リーダーがもっている教育観や子ども観,学校観等の「観」の特質,それらの「観」の相違を要因として学校内で生起する問題状況の内容および対応過程,解決への条件を明らかにした。 5.校長、教務主任、教諭対象。校内の構成員の「観」の一致度,「観」と問題発生の関連性,保持する「観」が学校の取組に強い影響を与える人物等を明らかにした。
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