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多文化社会の公教育における価値教育の機能変容に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18830106
研究種目

若手研究(スタートアップ)

配分区分補助金
研究分野 教育社会学
研究機関愛知江南短期大学

研究代表者

宮崎 元裕  愛知江南短期大学, 生活科学科, 講師 (20422917)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,390千円 (直接経費: 1,390千円)
2007年度: 750千円 (直接経費: 750千円)
2006年度: 640千円 (直接経費: 640千円)
キーワード価値教育 / 宗教教育 / 道徳教育 / トルコ / 国民統合 / 異文化理解 / 市民性教育 / 多文化教育
研究概要

前年度に引き続き、価値教育に関する文献の収集・整理・分析を行いながら、諸外国における価値教育の機能変容に関して検討を進めた。その際、注目したのは、(1)中心的に教えられている価値観は1つか、それとも複数か、(2)その価値観を絶対的なものとして教え込んでいるのか、それともその価値観に対する批判的検討を許容する余地を許容しているのかどうか、という2点である。従来、1つの価値観を絶対的に教え込む傾向の強かった価値教育だが、近年の多文化化の進行に伴い、しだいに複数の価値観を取り扱いながら批判的思考力を重視するものへと変化する傾向が見られる。
近年の特徴は、価値教育のなかでも、従来、特に絶対的な価値観を教え込む形態がとられることの多かった宗教教育についても変化が見られるようになった点である。本研究では、この点をトルコの公教育における宗教教育を事例に取り上げて明らかにした。イスラーム教徒が国民の圧倒的多数を占めるトルコでも、2000年以降、宗教教育の内容に変化が見られ、イスラーム以外の宗教を紹介しながら、イスラームと他宗教との違いを肯定的に捉え、他宗教に対する理解と寛容を促すものになっている。こうした変化は、従来のように宗教教育を通して国民共通の基盤として宗教を教え込むことで国民統合を図るだけでなく、他宗教に対する理解と寛容を全国民に教えることも必要となってきたことを示している。
つまり、社会の多文化化の進行に伴い、共通の価値観を教え込むという価値教育の伝統的な機能だけではなく、多様な価値観に触れさせることで多様な価値観に対する理解と寛容の必要性を教え、また多様な価値観と比較することで自らの価値観を批判的に検討するような価値教育の機能が重視されるようになっているのである。こうした観点から公教育における価値教育のあり方を検討することが我が国でも求められる。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 書評:クリスティーヌ・ロラン-レヴィ、アリステア・ロス編著(中里亜夫、竹島博之監訳)『欧州統合とシティズンシップ教育 新しい政治学習の試み』2008

    • 著者名/発表者名
      宮崎 元裕
    • 雑誌名

      愛知江南短期大学地域協働研究所年報『地域協働』 4

    • NAID

      40016148309

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [雑誌論文] 書評:デイヴィッド・タイヤック著(黒崎勲、清田夏代訳)『共通の土台を求めて-多元化社会の公教育』2007

    • 著者名/発表者名
      宮崎 元裕
    • 雑誌名

      地域協働(愛知江南短期大学地域協働研究所年報) 第3号(印刷中)

    • NAID

      40015579174

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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