研究課題/領域番号 |
18840005
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
相馬 清吾 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (20431489)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,760千円 (直接経費: 2,760千円)
2007年度: 1,380千円 (直接経費: 1,380千円)
2006年度: 1,380千円 (直接経費: 1,380千円)
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キーワード | 角度分解光電子分光 / 超伝導 / A15化合物 / A15型化合物 |
研究概要 |
前年度に引き続き、多バンド超伝導の可能性が指摘されているA15化合物V_3Siについて、超高分解能光電子分光による超伝導ギャップの研究を行った。ヘリウム光源による高分解能実験では、超伝導状態のスペクトルに10%程度metallic portionが混入し、ギャップの微細構造の議論を困難にするという問題があった。この問題を克服するため、バルク敏感光電子分光を可能にするキセノンプラズマ発光を用いた新たな高輝度・高分解能光源を開発した(発表論文1)。この新たな光源を、現行の高分解能光電子分高装置に組み込み、V_3Si単結晶の破断表面について高分解能光電子分光実験(△E=1.3meV)を行った結果、ヘリウム光源で観測されていたmetallic portionが大きく抑制される事を見出した(論文執筆中)。超伝導状態におけるスペクトル形状はBCS関数でほぼ再現されるが、フェルミ準位ごく近傍にBCS関数からの僅かなズレが認められており、超伝導ギャップに僅かな波数依存性がある可能性を示している。この点について解答を得るため、電子衝撃加熱とイオンスパッタリングにより作成した単結晶について、角度分解光電子分光による超伝導ギャップ波数依存性の決定を試みたが、試料上の温度が下がらず、明確な観測には至っていない。これは、試料の高温加熱と低温測定という二つの相反する要求から来る困難であり、今後解決していかなければならない問題である。A15化合物のようにへき開性の困難な物質の角度分解光電子分光を行うには、超高真空下で作成した単結晶についてinsitu測定を実行する必要があるが、その一環としてSi単結晶表面上に一次元金属単結晶薄膜を作成し、金属絶縁体転移の詳細な観測に成功した(発表論文4)。今後これを更に発展させた超伝導薄膜の実験を目論んでいる。また、近年注目されている空間反転対称性の破れた物質La2C3における超伝導ギャップの実験を行い、バンドのスピン軌道分裂に起因した多バンド超伝導の可能性を指摘した(発表論文5)。
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