研究課題/領域番号 |
18840041
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
渡辺 忠孝 日本大学, 理工学部, 講師 (70409051)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,160千円 (直接経費: 2,160千円)
2007年度: 930千円 (直接経費: 930千円)
2006年度: 1,230千円 (直接経費: 1,230千円)
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キーワード | エキゾチック超伝導 / フラストレーション / 超音波 / 磁性超伝導 / Lu2Fe3Si5 / ErNi2B2C / TmNi2B2C / GeCo204 / Lu_2Fe_3Si_5 / GeCo_2O_4 / YNi_2B_2C / ErNi_2B_2C / 反強磁性超伝導体 |
研究概要 |
本研究課題では、強相関電子系におけるエキゾチック超伝導の研究、およびフラストレート系の新奇磁性の研究を、純良単結晶試料の作製および超音波測定等の物性測定を遂行することにより行った。エキゾチック超伝導研究では、東大物性研究所との共同研究で超高分解能光電子分光を用いた超伝導ギャップ観測実験を行った。具体的な研究成果を以下に記す。 Feを含む超伝導体の中で最高のT_c(=6.3K)を示すLu_2Fe_3Si_5について、単結晶試料を用いた電気抵抗率測定や光電子分光実験等を行い、超伝導特性を研究した。その結果、Lu_2Fe_3Si_5における強い電子相関と異方的超伝導の可能性を示唆する実験結果を得た。現在、超音波測定による超伝導異方性および磁束状態の研究が進行中である。 磁性超伝導体TmNi_2B_2Cのフローティングゾーン法による大型単結晶作製に成功した。この物質は、常磁性と超伝導の共存領域における特異な磁束状態の可能性が最近の研究から指摘され、注目されている。現在、超音波測定による磁束状態の研究が進行中である。また京都大学との共同研究で、走査型ホール素子顕微鏡による量子化磁束の可視化実験が進行中である。 フラストレート系スピネル化合物GeCo_2O_4について、単結晶試料での全弾性モードの超音波音速測定を行った。この物質は低温で反強磁性転移を示す一方で、常磁性でのワイス温度は強磁性的相互作用が支配的であることを示唆しており、複数の交換相互作用の競合の可能性が指摘されている。実験の結果、そのような相互作用の競合による新奇なフラストレーション効果を示唆する弾性異常の観測に成功した。現在、GeCo_2O_4の多重磁気秩序相内の弾性特性を超音波測定により研究中である。
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