研究課題/領域番号 |
18840042
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
井上 昭雄 大阪産業大, 教養部, 講師 (30411424)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,120千円 (直接経費: 2,120千円)
2007年度: 850千円 (直接経費: 850千円)
2006年度: 1,270千円 (直接経費: 1,270千円)
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キーワード | 銀河 / ダスト / 輻射輸送 / 星間ガス / 減光曲線 / 紫外線 / 数値計算 / 原子惑星系円盤 |
研究概要 |
当初の予定どおり、銀河の化学(ダスト)・多相星間ガス進化モデルの構築を始めた。まず、銀河におけるダストの影響を全般的に調査するために、国内の専門家を集めた「銀河のダスト」研究会を2006年11月10日・11日に主催した。24名参加という適度な規模の中、大変有意義な議論を交わすことができた。2007年3月にはこの研究会の集録を発行した。 また、実効的ダスト減光曲線のモデル化も行なった。これはイタリアおよびフランスの研究協力者らとの共同研究である。星形成は分子雲などの高密度領域で起こることが知られているが、そこにはダストも豊富に存在する。したがって、誕生直後の若い星ほど大きなダスト減光を受けると予想される。このような星の年齢に依存したダスト減光を考慮し、銀河スケールの詳細な輻射輸送計算シミュレーションを行なった。結果を紫外線天文衛星GALEXによる最新の観測データと比較したところ、非常に良くデータ傾向を再現できることが分かった。この観測データは、星の年齢依存減光を考慮しない従来のモデルでは上手く説明できないことが問題であったのだが、われわれの研究によりこの問題は解決されたと考えている。この成果は2007年2月に論文として出版された。 これらの研究に加えて、輻射輸送数値計算技術の開発研究も行った。光学的厚みが100万を超えるような原始惑星系円盤の温度・密度構造を精密に決定するためには、高度な輻射輸送数値計算技術が要求され、このような計算を実行可能な研究グループは世界に2,3しか無い。東京工業大学の研究協力者と共同で数値計算コード開発を行い、基本的な部分は完成した。現在コードの応用例として、原始惑星系円盤の氷の存在領域についての研究を行なっている。
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