研究課題/領域番号 |
18850022
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
堀 顕子 北里大, 理学部, 助手 (90433713)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,620千円 (直接経費: 2,620千円)
2007年度: 1,310千円 (直接経費: 1,310千円)
2006年度: 1,310千円 (直接経費: 1,310千円)
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キーワード | 交差集合 / 銅錯体 / フッ素 / 結晶構造 / 熱分析 |
研究概要 |
本研究では、ベンゼンとヘキサフルオロベンゼンにみられる「アレーン・フルオロアレーン相互作用」を分子認識に用いることで、二種類の異なる金属錯体を交互に配列させる新しい分子集積法を検討した。本年度は、まず一般によく知られているジベンゾイルメタン配位子とフッ素を導入したビス(ペンタフルオロベンゾイル)メタン配位子をもつ銅錯体を各々調製した。特に、フッ素を導入した銅錯体はベンゼンを3分子取り込んだ結晶として単離された。結晶構造解析から、錯体とベンゼン1分子の間には「カチオン-π相互作用」が、錯体と2分子のベンゼンの間には「アレーン・フルオロアレーン相互作用」が働いていることが分かった。熱分析(TG-DTA-MS)からもベンゼンの定量を試みたところ実測値20.9%(計算値21.2%)とよい一致を示した。また、SC-TGから二種類の相互作用をもつベンゼンが2段階で放出されることを明らかにし、各々の定量にも成功した(CrystEngComm、9、215-217)。次に、フッ素を導入した銅錯体と導入していないジベンゾイルメタンを配位子とする銅錯体を有機溶媒に溶かし任意の量で混合した。徐々に個々の結晶とは異なる針状微結晶が析出しはじめ、元素分析を測定すると1:1混合比を示した。最終的に、単結晶構造解析から二つの異なる錯体が一次元に並ぶように交互に集積していることが分かった。また、結晶内の分子間相互作用をみると、「アレーン・フルオロアレーン相互作用」が働いていることが分かった。「アレーン・フルオロアレーン相互作用」を用いて有機分子を並べた例は多数報告されているが、金属錯体の集積は本系が初めてである(論文執筆中)。
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