研究概要 |
Seismic Interferometory理論(Virtual Source理論)に基づき,地上震源のみを用い坑井間トモグラフィが行えるか,弾性波数値シミュレーションで解析した.計算は4次精度スタッガード弾性波シミュレーションで行った.k計算モデルは2次元モデルで不均質構造は設定しない条件で行った.地表境界面を自由表面として設定した.通常の坑井間トモグラフィ記録もシミュレーション解析し,両者を比較した.その結果,Seismic Interferometory処理により坑井間トモグラフィ記録と同様な初助走時記録を取得できることが判明した.しかし,波線経路が生じない水平方向の走時記録に関しては良好な記録を取得することはできなかった. 次に,数値シミュレーション結果から地上震源による坑井間トモグラフィ記録の取得適用条件を調べた.条件に基づき3m×1.2m×1.2mの水槽を設計製作した. 最後に,ハイドロフォンとバルスジェネレータおよび高速ADボードを用いて弾性波モデル試験を行った.ハイドロフォンは3つ用いた.はじめに,送受信器を異なる坑井位置に配置し,通常の坑井間トモグラフィ記録を取得した.次に,受振器を仮想坑井位置に配置し,送銀器を水面またはもうひとつの仮想坑井位置に配置して,Seismic Iterferometory理論に基づく記録を取得した.記録取得後に両者を解析し比較した.その結果,地上震源のみによる坑井間トモグラフィ記録の合成が確認された.しかし,シミュレーション同様に水平方向の走時記録に関しては良好な記録を取得することはできなかった.
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