研究課題/領域番号 |
18860048
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
恒川 雅典 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特任助教 (20403131)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,350千円 (直接経費: 2,350千円)
2007年度: 990千円 (直接経費: 990千円)
2006年度: 1,360千円 (直接経費: 1,360千円)
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キーワード | 磁気冷凍 / 電子構造 / 光電子分光 / 遍歴電子磁性 / 磁気円二色性 / 電子状態 |
研究概要 |
磁場誘起による磁気一次相転移に関する研究は、これまで磁化測定、結晶・磁気構造解析、バンド計算等を中心として精力的に行われ、相転移に伴い、結晶・磁気・電子構造が互いに影響を及ぼしあって不連続に変化することが分かってきた。それにも関わらず、詳細な電子状態についての実験的な検証は極めて少なく、実験的検証の報告が待たれている状態にある。最近合成された室温磁気冷凍材料MnFe(PGe)は磁場誘起だけでなく、温度変化によって磁気一次相転移を示す。本研究では高分解能軟X線光電子分光によって室温磁気冷凍材料のバルク電子状態を詳細に調べた。 常磁性相と強磁性相に対応する試料温度において光電子分光を行い、室温磁気冷凍材料において磁気一次相転移の起源に関係する電子状態を観測することに成功した。これは、初年度に行った磁気円二色性を利用したMn L3吸収強度の温度依存性、磁場依存性の結果と併せて矛盾なく総合的に解釈できるものであった。更に、初年度に導入した計算機を利用し、混晶系の電子状態密度を計算するのに適したKKR-CPA-LDAによるバンド計算を同系に対して実施した。この計算結果は、軟X線光電子分光スペクトルによって観測された電子状態を定性的に説明するものであった。初年度の結果と本年度の結果を併せて考察することにより、占有・非占有電子状態を磁気一次相転移の起源と結びつけて総合的に解釈できる。本研究によって磁気一次相転移メカニズムを電子状態の観点から実験的に解明できたと考えている。
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