研究課題/領域番号 |
18860050
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90435933)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,820千円 (直接経費: 2,820千円)
2007年度: 1,410千円 (直接経費: 1,410千円)
2006年度: 1,410千円 (直接経費: 1,410千円)
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キーワード | シリコンカーバイド / 溶液成長 / 合金溶媒 / 溶解度 / 液相成長 / 状態図 |
研究概要 |
本研究では、次世代半導体材料として注目されるSiCの新規製造法を開発するため、溶融合金を溶媒に用いたSiCの溶液成長法に関する基礎検討を行っている。溶媒の溶融合金については高いSiC溶解度を有することが予想されたFe-Si合金を用いている。SiCの結晶成長を得る上でFe-Si-C系状態図中のSiC飽和液相領域の把握が不可欠であるため、同系の熱力学的再評価を行いそれに基づき状態図の推算を行った。その結果、従来SiCの溶液成長を行う上で注目されなかった金属成分(Fe)富化組成でSiCの飽和液相が存在し、また同液相が高いSiC溶解度を有することが予測された。そこで、Fe富化液相とSiCの平衡実験を1523〜1723Kにて実施し、同液相中のSiC溶解度を調査した。SiCの溶解度はいずれの液相、温度においても0.1mol%以上であり、通常用いられるSi富化溶液と比較し2オーダーほど高値であったことから、溶融Fe-Si合金がSiCの溶液中高速成長を行ううえで好適な液相合金であることを明らかにした。また得られた溶解度と上述した熱力学推算結果との間に良い一致が見られたことから、本研究で再評価を行った熱力学的諸量の妥当性を検証した。さらに温度差法によるFe-Si合金を溶媒に用いたSiCの結晶成長を試みたところ、結晶成長用基板に用いたグラファイト相上にSiCの成長層が確認されたことから、溶融Fe-Si合金を用いたSiCの溶液成長法の可能性を見出した。
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