研究概要 |
本研究課題では桁間衝突や桁端部と橋台の衝突に着目した詳細なモデル化による要素解析を実施することにより衝突時における桁端部や橋台部の損傷を把握し,その対策を構築することならびに衝突現象を簡易な数学モデルで表現することを目的としている.平成18年度の研究成果は以下の通りである.(1)桁間衝突では,実橋梁規模の鋼桁と鋼桁の間にゴム製緩衝材を設置した場合の解析を実施した.現時点では,まだ,ゴム製緩衝材は単純な弾性体としており,衝突速度も0.3m/sから0.5m/sと比較的遅い速度での解析ではある.ゴム製緩衝材の大きさについては,従来用いられている設計式である,ゴムの許容支圧応力を12N/mm^2として求めた面積とした.ゴム厚を200mm,衝突速度が0.5m/s程度では,ゴム製緩衝材の設置により鋼桁に作用する衝撃力が桁重量の1倍程度に抑えられており,また鋼桁に作用する応力が弾性範囲内に収まることを確認した.(2)桁端部と橋台の衝突では,コンクリート桁が橋台(コンクリート)に衝突する現象の数値解析を行った.衝突速度は1.0m/sから3.0m/sで解析を実施した,こちらはまだ,ゴム製緩衝材などの設置は行っていない.衝突速度1.0m/sではパラペット基部にひび割れ損傷が少し確認されるが地震後の一定期間の供用は耐えられるものであると考えた.衝突速度3.0m/sでは,ひび割れ損傷がパラペットウイング部にもおよび何らかの対策が必要であることが確認された.
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