研究課題/領域番号 |
18860065
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田口 良広 慶應大, 理工学部, 助手 (30433741)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,740千円 (直接経費: 2,740千円)
2007年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
2006年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
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キーワード | 熱工学 / 温度計測技術 / 近接場蛍光 / 操作プローブ顕微鏡 / ナノ材料 / ナノバイオ / マイクロ・ナノデバイス / マイクロ・ナノシステムデザイン |
研究概要 |
本研究課題では、機能性高分子試料に化学修飾された2種類の蛍光分子(ドナーおよびアクセプタ)を近接場光によって励起し、その蛍光共鳴エネルギー転移を検知することでナノレベルでの分子構造・温度分布を測定する新しい測定法を提案し、測定装置の構築を目指す。照射する近接場光の波長はドナーのみが吸収する波長域を選択的に用い、数十Å程度に近接したアクセプタに共鳴したドナーの蛍光エネルギーが転移することによってアクセプタは励起される。試料である機能性高分子の分子構造が界面の影響や分子合成過程、温度状態で変化すると、ドナーからアクセプタへの蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)効率が変化する。このFRET効率変化をモニタリングすることで分子レベルでの構造変化や温度変化を測定することが可能となる。H18年度は蛍光共鳴エネルギー転移を安定して検出可能な近接場蛍光分光システムを原理の段階から考案・構築し、以下に挙げる具体的な成果を得るに至った。 【近接場蛍光分光法を用いたナノスケール温度計測システムの開発】 (1)超微弱光検知システムと蛍光分光システムによって構成される超安定化近接場蛍光分光システムを構築し、ナノプローブの熱的・光学的物性情報を蛍光強度ならびに蛍光寿命から分析する測定技術を確立した。 (2)近接場蛍光分光法を用いて、サーマルナノプローブの候補材料であるQdot655蛍光分子の温度特性にっいて評価を行った。蛍光信号の光学特性が温度変化に対して可逆性を示すことを明らかにした。 (3)非常に安定したナノスキャンシステムを開発し、回折素子の光学情報を100nmの空間分解能で検出することに成功した。 (4)ナノ細線デバイス(線幅:500nm、材質:パーマロイ)を超微細化技術により作製し、開発した近接場蛍光分光法の原理・装置の妥当性を実験的に明らかにした。
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