研究課題/領域番号 |
18860069
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
尾崎 文宣 東京理科大学, 総合研究機構・火災科学研究センター, COEポストドクトラル研究員 (40434039)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 1,350千円 (直接経費: 1,350千円)
2006年度: 1,350千円 (直接経費: 1,350千円)
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キーワード | 有限要素法 / 鋼柱 / 局部座屈 / 全体座屈 / パラメトリックスタディ / 鋼構造耐火設計指針 / 梁の伸び出し |
研究概要 |
本年度においては、昨年度に得られた数値結果を踏まえ、既存の鋼構造耐火性能評価法の妥当性を再検討した。対象として耐火性能評価法は、日本建築学会「鋼構造耐火設計指針」で提案されている局部座屈による崩壊温度算定式と全体座屈による柱崩壊温度算定式である。前者は、鋼柱の局部座屈後残余耐力が考慮された評価式であり、一方後者は、接線係数理論から求まる座屈温度評価式である。さらに、局部座屈温度評価式として、鈴木らが提案した簡易評価式も検討対象とした。 3種類の柱幅厚比(20、25、33)、柱軸力比(0.1、0.3、0.5)、また8種類の柱梁長さ比(1〜15)を解析パラメータにとり解析を進めた。各パラメータ値における柱の崩壊温度(終局状態時における柱部材温度)と局部座屈発生温度を求め、検証法より得られる崩壊温度と数値解析結果の比較を行った。わが国で多用されるFAランクの鋼柱の場合、梁の伸び出しにより発生した局部座屈は柱の崩壊を直ちに引き起こさない。局部座屈発生後も柱は安定的な残余耐力を有しているので、その後も高温まで持ちこたえることを明らかにした。さらに、梁の伸び出しが大きくとも、柱の崩壊温度はあまり低下しないことも明らかにした。これらの知見から、梁の過大な伸び出しを受ける柱に対しても、それらの崩壊温度は既存の耐火検証法(前記の局部座屈崩壊温度と全体座屈崩壊温度)で概ね安全側に評価できることを明らかにした。 本研究で明らかにした最新の研究成果は、2007年5月号の日本建築学会構造系論文集(NO.615)にて、研究代表者が筆頭著者の論文上で公表された。
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