研究課題
若手研究(スタートアップ)
反強磁性-強磁性微粒子の交換結合を介したME効果を室温以上で発現させるために、強誘電性および磁気転移点が室温以上のBiFeO_3を母相として、鉄系の酸化物を磁性微粒子としたFeO_x/BiFeO_3コンポジット薄膜を化学溶液堆積法により作製した。BiとFeが等量比の前駆体溶液にFeO_x前駆体溶液を加えると、Fe系の酸化物微粒子が析出したFeO_x/BiFeO_3コンポジット薄膜が形成した。FeO_x/BiFeO_3コンポジット薄膜はBiFeO_3薄膜に比べて飽和磁化が飛躍的に増加させることができた。FeO_x/BiFeO_3コンポジット薄膜の膜面垂直方向の組成を調べるために、XAS測定時のX線進入角を変化させたところ、Fe濃度は下部のPt電極側で高くなっていた。このことから、酸化鉄は下部Pt電極側に形成しているものと考えられる。そこで現在、詳細な膜構造について解析するために断面TEM観察をおこなっているところである。一方、強誘電性については、Feの組成比が高くなるにつれてリーク電流密度が多くなり、室温で強誘電性を評価することは困難であった。そこで、リーク電流を抑えるために液体窒素温度で測定したところ、Fe組成比が約25at.%までは自発分極を発現することがわかった。当該試料のME効果を調べるために、磁場中で強誘電性を評価できる装置を本補助金の支援を受けて作製した。試行錯誤の結果、ME効果評価装置は稼働しているが、同装置は室温でしかME効果を測定することが出来ないため、当該試料がME効果を発現しているかの判断はできていない。今後は低温測定が可能な装置へ改良し、ME効果の有無を調べる予定である。結論として、FeO_x/BiFeO_3コンポジット薄膜は室温ME効果の期待がもてるが、室温でリーク電流密度が高いことが課題となることが示唆された。
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