研究課題/領域番号 |
18860088
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
百合 庸介 日本原子力研, 研究員 (90414565)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,390千円 (直接経費: 2,390千円)
2007年度: 1,130千円 (直接経費: 1,130千円)
2006年度: 1,260千円 (直接経費: 1,260千円)
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キーワード | 均一照射 / 多重極電磁石 / ビーム輸送系 / ビーム力学 / イオンビーム |
研究概要 |
本年度は、ビーム強度分布の均一化についての理論的研究及び日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所のイオン照射施設"TIARA"における多重極電磁石を用いたビーム均一化のための予備実験を行った。 1.理論的研究 ビーム輸送系に設置した多重極磁場によって横方向ビーム強度分布を均一化する理論解析を行った。初期にガウス関数型の横方向強度分布を有するビームを均一化するために必要となる奇数次多重極磁場強度及び形成される均一領域の大きさをビーム力学に基づき導出した。シミュレーション解析のために、過去に自作した単粒子トラッキングコードに改良を加え、12極(5次)までの多重極電磁石が発生する非線形磁場を取扱えるようにした。これを用いて導出した理論の正当性を確認した。この理論を基に多重極電磁石の設置位置や磁場強度等、TIARAのビーム輸送系の光学系を最適化し、ガウス関数型分布のビームの均一化が可能であることを確認した。また、ビーム特性が均一化に及ぼす影響について調べた。現状のエミッタンスや運動量幅では均一化に有意な影響を及ぼすことはないが、初期の分布がガウス分布ではなく非対称な場合には均一性が著しく低下することを明らかにした。以上の結果に基づき、TIARAに設置する多重極電磁石の設計・製作に着手した。 2.実験的研究 均一ビーム特性計測システムの開発に先立ち予備実験を行った。均一性を高めるためには初期のビーム強度分布がガウス関数型であることが望ましいことから、TIARAのサイクロトロンから引き出された非対称なビーム形状をガウス分布に近づける実験を行った。ビームを薄膜に透過させ、多重散乱によるプロファイルの変化を計測した。高い空間分解能で簡便な計測ができるGAFクロミック線量計とパソコン用スキャナを用いて2次元相対強度分布を測定し、分布がガウス関数型に近づくことを確認した。
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