研究課題/領域番号 |
18870022
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・行動
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
竹田 典代 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (40433742)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,550千円 (直接経費: 2,550千円)
2007年度: 1,290千円 (直接経費: 1,290千円)
2006年度: 1,260千円 (直接経費: 1,260千円)
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キーワード | タマクラゲ / 刺胞動物 / 放卵 / 神経ペプチド / GLWamide / 光 / 卵熟成 / クラゲ / 形態 / 神経 |
研究概要 |
本研究では光刺激が引き金となり卵成熟を開始する刺胞動物タマクラゲを用い、外界からの卵成熟開始シグナル(以下"光刺激"とする)が卵母細胞内へ到達するまでのシグナル伝達の仕組みを理解することを目的としている。昨年度の研究で、まずタマクラゲ卵巣の内部形態を明らかにした。卵母細胞とその周辺の構造について電子顕微鏡レベルでの観察を行うことで、タマクラゲ卵巣に神経様の構造が存在することを見いだした。さらに、タマクラゲ卵巣には刺胞動物ヒドロ虫綱ヒドラの神経ペプチドとして知られているGLWamide、RFamide等の網状ネットワークが観察された。これらの神経ペプチドがタマクラゲの卵成熟開始に関与しているかどうかを明らかにするため、GLWamide、RFamideを含むヒドラの神経ペプチドをタマクラゲ卵巣に投与した。その結果、光刺激の代わりとしてGLWamideの投与で卵成熟が引き起こされ、濃度依存的に効果が見られた。さらに卵成熟のタイムコースは光刺激を与えたときとほぼ同様であった。また、GLWamideの投与時間は、約3分間とごく短い時間の処理でも有効であった。一方、RFamideでは放卵は誘起されなかった。本研究を通して、タマクラゲ卵巣にGLWamide、RFamide等の神経系が存在すること、これらの神経系のうち特にGLWamideは卵成熟開始のシグナル伝達経路の一端を担っている可能性が強く示された。
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