研究課題/領域番号 |
18870025
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 総合研究大学院大学 (2007) 独立行政法人理化学研究所 (2006) |
研究代表者 |
沓掛 展之 総合研究大学院大学, 先導科学研究所, 助教 (20435647)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,620千円 (直接経費: 2,620千円)
2007年度: 1,310千円 (直接経費: 1,310千円)
2006年度: 1,310千円 (直接経費: 1,310千円)
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キーワード | 協同繁殖 / 真社会性 / 哺乳類 / 血縁 / 協力 / 対立 / 行動生態学 / 繁殖の偏り / ヘルピング / 社会行動 |
研究概要 |
本年度は、協力性の高い群れを形成する哺乳類、協同繁殖種ミーアキャットと真社会性ハダカデバネズミを対象に、血縁個体間の協力と対立を研究した。 ミーアキャットを対象にオス間の繁殖をめぐる対立関係を研究した。優位オスから劣位オスへの攻撃行動頻度は、劣位オスとの対立可能性に加えて、群れ中のヘルパー数に依存していた(Kutsukake and Clutton-Brock 2008a)。すなわち、繁殖可能性の高い劣位オスに対しては、そうでない劣位オスと比較して、優位オスは高頻度の攻撃行動を行っていた。また、攻撃行動の頻度はヘルパー数と正の関係を示し、ヘルパー数が少ない群れでは、優位オスは繁殖可能性のある劣位オスへの攻撃を緩和していた。また、同種において、対立解決行動を分析した結果、ミーアキャットにおいては、攻撃後に関係を修復する行動が存在しないことが分かった(Kutsukake and Clutton-Brock 2008b)。 ハダカデバネズミを対象に、集団的意思決定とそのメカニズムを研究した。実験的状況において、個体の行動を観察したところ、複数の選択肢から単独の選択肢を選ぶ協調した行動が見られた。女王や繁殖個体の存在は、集団的意思決定の遂行に影響を与えていなかった。このことから、ハダカデバネズミにおける集団的意思決定は、多数決や各個体の意思決定ルールからの創溌によって生じている現象であると考えられる。 本プロジェクトの最終年度として、協力性の高い社会を形成する他種との比較を行うとともに、結果の取りまとめを行い、関連学会の発表と国際学術誌での論文発表を行った。
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