研究課題/領域番号 |
18870035
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 株式会社三菱化学生命科学研究所 |
研究代表者 |
長田 智治 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門・組織再生グループ, 主任研究員 (00416653)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 発生 / RNA / ゲノム / 初期発生 / リプログラミング / miRNA / 核移植 / 体細胞クローン / 母性因子 / 発生生物学 |
研究概要 |
本研究では、マウス未受精卵および2細胞期の初期胚からRNA分画を抽出し、さらにマイクロRNAを含む短鎖長の核酸分子分画を精製した。精製した分画からアダプター分子を付加したのち、アダプター配列をプライマーとして増幅し、クローニングした。クローニングされた最終産物の塩基配列を決定して、その分子の新規性などを検討した。その機能解析の一貫として、マウス受精欄前核への注入などを行い、胚発生への影響などを検討した。最近の発生生物学の動向において、ncRNA分子に代表される非翻訳分子が脚光を浴びている。miRNA分子による、同時に複数の類縁分子の発現抑制する可能性が発生プログラムにおいて1対1のタンパク質間相互作用だけでは説明出来ない現象を補完しうると考えられたからである。そして、最近、受精卵において内因性のsiRNA効果が提示された。これは前述のmiRNAの能力が生理機能として働いていることを示している。卵子内で蓄積されたRNAはがどのように選択的に翻訳され、どんな機能を担っているか、どのような選択的翻訳制御機構が働いているかにすいての核心部分は以前未知なままである。本研究において同定されたncRNAが、選択的な翻訳抑制に機能することが期待され、具体的にどのような分子が関連するかが今後の重要なテーマとなる。本研究は、胚発生の最初の遺伝子発現制御メカニズムにおいてRNA機能分子に着目して研究を進めた。RNA研究基盤がないところからの出発であったが、現在進行中のホットな事象へのアプローチになったため、テクノロジーの進展にも助けられた面も多い。実験プロトコールの取捨選択には十分考慮すべきであるという点も本研究の遂行過程で学んだ点でもあった。得られた成果を受精時のメカニズムの理解に掘り下げるだけでなく、関与することが予想される生体現象についても新しい視点を投げかけたいと考えている。
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