研究課題/領域番号 |
18880004
|
研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
稲葉 靖子 岩手大学, 農学部, 研究機関研究員 (80400191)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,740千円 (直接経費: 2,740千円)
2007年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
2006年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
|
キーワード | 植物 / ザゼンソウ / 発熱システム / 脱共役タンパン質 / プロテオリポソーム / ミトコンドリア / 膜タンパク質 / 脱共役タンパク質 |
研究概要 |
本研究では発熱植物ザゼンソウの熱産生機構を明らかとするため、ミトコンドリア内膜に局在する脱共役タンパク質UCPの試験管内アッセイ系の開発を行った。UCPはミトコンドリアキャリアファミリーに属する6回膜貫通型のタンパク質で、膜の内外に形成されたプロトン濃度勾配を積極的に解消する過程で熱を出すと考えられている。我々の解析により、これまでザゼンソウで報告された2つのUCP(SrUCPAとSrUCPB)のうち、主として発現しているのはSrUCPA(典型的な植物UCPホモログ)であり、SrUCPB(5回膜貫通型のザゼンソウ型UCP)は検出されなかったため(Ito-Inaba et al., 2008)、SrUCPA-Hisタンパク質の試験管内アッセイ系構築を目指した。まず、SrUCPA-Hisタンパク質を小麦胚芽のライセートを用いて合成し、TALONアフィニティーレジンを用いて精製を行った。併行して、SPQ蛍光試薬を閉じこめたリポソームを調製して、膜を介したプロトンの移動により蛍光レベルが変化する系を構築した。調製したリポソームに精製したSrUCPA-Hisタンパク質を組み込んでSrUCPAを介したプロトン輸送活性の解析を行ったところ、UCP活性のアクチベーターである遊離脂肪酸に依存した蛍光レベルの変化が見いだされたものの、SrUCPAを組み込んでいない場合と比較して、その差はわずかであった。本結果は、SrUCPAタンパク質を精製する過程、或いはプロテオリポソームにSrUCPAタンパク質を再構成する過程で、UCPタンパク質の構造が変化して本来の活性の一部が失われてしまったことによるものと考えている。今後、SrUCPAの機能がより保持された状態でプロテオリポソームに再構成し、アッセイ系の改良を目指していく。
|