研究課題/領域番号 |
18880005
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
南 杏鶴 岩手大学, COE研究員 (70400190)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,890千円 (直接経費: 2,890千円)
2007年度: 1,450千円 (直接経費: 1,450千円)
2006年度: 1,440千円 (直接経費: 1,440千円)
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キーワード | 植物 / 低温馴化 / プロテオーム / 細胞膜マイクロドメイン / 可視化 |
研究概要 |
細胞膜上には特定の脂質やタンパク質が集合したマイクロドメインが存在する。本研究では、凍結耐性の増大をもたらす低温馴化過程と植物細胞膜マイクロドメインとの関連性を調べるため、細胞膜マイクロドメイン画分を用いたプロテオーム解析によるアプローチで研究をはじめた。 低温馴化処理0、2、4、7日後のシロイヌナズナ植物体から細胞膜画分をそれぞれ調整し、マイクロドメイン画分として界面活性剤不溶性膜(DRM)画分を単離した。DRM画分タンパク質は細胞膜画分タンパク質の5〜10%を占めており、低温馴化処理後、細胞膜画分タンパク質あたりのDRM画分タンパク質量は減少した。また、DRM画分タンパク質の低温馴化処理過程における蓄積変化を蛍光ディファレンスゲル二次元電気泳動(2D-DIGE)法によって比較解析し、MALDI-TOF/MS及びLC-MS/MS解析によってタンパク質を同定した。その結果、DRM画分に存在する約40%ものタンパク質の蓄積パターンが低温馴化処理前後で変動することが明らかになった。特に細胞骨格、膜輸送、細胞内小胞輸送に関わるタンパク質群の変動が著しく、その中には凍結耐性との関連性が指摘されているタンパク質も含まれていた。以上の結果から、低温馴化前後において植物細胞膜マイクロドメイン局在タンパク質が劇的に変化し、それらタンパク質が低温馴化機構に関与する可能性が強く示唆された。 また、顕微鏡を用いた蛍光抗体法による実験では、いくつかのDRM画分タンパク質とマイクロドメイン局在脂質であるステロールが細胞膜上で共局在することが観察された。しかしながら、低温馴化前後におけるDRM画分タンパク質の局在変化を評価するには、細胞ごとの染色ムラなどを考慮した定量的な解析を行う必要性が求められた。現在、細胞膜上のタンパク質の分布パターンの数値化による評価方法の確立を継続して行っている。
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