研究課題/領域番号 |
18880007
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産科学・木質工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 聡 東大, 農学生命科学研究科, 助手 (00420224)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 1,450千円 (直接経費: 1,450千円)
2006年度: 1,450千円 (直接経費: 1,450千円)
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キーワード | セルロース / 生体材料 / 自己組織化 / オタマボヤ |
研究概要 |
プランクトン性被のう類の一種、オタマボヤが形成する高結晶性セルロースミクロフィブリルが、ミクロンオーダーの網目構造を形成する機構を明らかにするための基盤研究を進めた。オタマボヤの発生段階とセルロース形成との関連を追跡するため、室内飼育の方法を検討し、実験室内で継代飼育するための装置を作製した。そして個体数と餌の量をコントロールすることにより、数代にわたって飼育可能であることを明らかにした。ハウスの形成速度を実体顕微鏡により観察した結果、多くの場合、刺激を与えてハウスを抜け出した固体は約5分程度で新しいハウスを構築することを明らかにした。また偏光板を顕微鏡にセットすることにより、形成過程のハウス内のセルロースミクロフィブリルの配向の変化を追跡可能であることを明らかにした。構築されたハウスをアルデヒド、オスミウム固定後、走査型電子顕微鏡を用いることにより、ハウス内のセルロースミクロフィブリルの構造と配列を超微細構造レベルの観察を行った。今回、飼育に使用したワカレオタマボヤにおいても、ハウス内のセルロースは層状構造として堆積した本体と、数十本のミクロフィブリルの束が縦横に配向したネット状構造からなることを確認し、ネット状構造の網目の間隔は約20ミクロンで制御されていることを明らかにした。ハウスから抜け出したオタマボヤ本体を用い、同様に走査電子顕微鏡観察を行い、体表面におけるセルロース合成部位の特定を試みた。その結果、体表面にはハウスの原基が既に形成されていることが確認され、表皮細胞の表面観察のために試料作製法を検討する必要性が示された。表紙細胞の表面を露出させる目的で、急速凍結割断法を適用し電子顕微鏡観察を進め、本手法がセルロース合成部位の観察に有効であることを確認した。
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