研究課題/領域番号 |
18880015
|
研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境農学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒田 浩一 京大, (連合)農学研究科(研究院), 助手 (30432339)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 1,450千円 (直接経費: 1,450千円)
2006年度: 1,450千円 (直接経費: 1,450千円)
|
キーワード | 細胞表層工学 / レアメタル / 資源リサイクル細胞 / モリブデン / ModE |
研究概要 |
本研究では、細胞表層を金属吸着の場とし、「細胞表層工学」によりレアメタル選択的吸着能をもつペプチドやタンバク質を細胞表層にディスプレイすることで、レアメタル選択的吸着・回収能をもつ資源リサイクル酵母の創製を目的とし、レアメタルの中でも近年、国際価格が高騰しているモリブデンをターゲットとした。レアメタル選択的吸着・回収能をもつ資源リサイクル細胞を創製するにあたり、最初にこれまでにレアメタル選択的吸着能をもつことが知られているタンバク質の細胞表層提示を行った。微量金属の中には、生体中で補因子として様々な酵素反応の進行に欠くことのできない必須微量金属が存在する。微量金属を含む金属タンバク質は金属を特異的に認識して取り込むことによって正常な機能を発揮しており、このような金属タンバク質のもつ金属認識・結合能力をうまく利用する。実際に、2004-05年で価格が10倍に高騰しているモリブデンも必須微量金属の1つであり、ヒトや植物をはじめとして、生体中にはモリブデンを補因子として機能するモリブデン酵素の存在が知られている。 本年度においては、DNAポリメラーゼを用いたPCRにより、大腸菌由来のモリブデン酵素、ModEのモリブデン結合ドメインをコードする塩基配列を取得し、DNAリガーゼを用いて細胞表層提示を行うためのカセットベクターに組み込み、融合遺伝子の構築に成功した。構築した融合遺伝子により、モリブデン結合ドメインのN未端にα-ファクターの分泌シグナルを、C未端には酵母の細胞表層においてアンカリングドメインとして機能するα-アグルチニンのC未端側320アミノ酸を融合した状態で発現させ、蛍光抗体を用いた染色によって、モリブデン結合ドメインが細胞表層上へ集積していることを確認することができた。このようにして創製した新規酵母を用いて、水圏中のモリブデンを効率よく吸着させることに成功した。
|