研究課題/領域番号 |
18880040
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
福田 真嗣 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 基礎科学特別研究員 (80435677)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,740千円 (直接経費: 2,740千円)
2007年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
2006年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
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キーワード | 代謝物プロファイリング / 遺伝子発現プロファイリング / プロバイオティクス |
研究概要 |
近年、腸内フローラの改善による腸管関連疾患やアレルギーなどの改善・予防効果が明らかになってきているが、それらの効果を裏づける科学的根拠は乏しいため、腸管病原性大腸菌O157によるマウス感染死を実験モデルとして用い、宿主-腸内フローラ間相互作用(cross-talk)の情報を代謝物および遺伝子発現レベルより解析した。 無菌マウスにO157を投与すると7日以内に全例が死に至るが、O157と共に典型的なプロバイオティクスであるBifidobacterium longum(B.longum)を投与すると感染死は完全に予防されることを見出した。一方、成人の腸管内に常在するビフィズス菌であるBitfidobacterium adolescentisを投与しても感染死が予防できないことも明らかにした。B.longum前投与によりO157のマウス腸管内における生菌数、シガ毒素産生量、シガ毒素活性、腸管内pHにはB.longum前投与の有無によらず違いは認められなかったが、O157単独投与時にみられた血清中のシガ毒素濃度の増加および大腸上皮の軽い炎症は認められなかった。従って、B.longumによる宿主腸管上皮バリアー機能や免疫能の増強が感染死予防に寄与する可能性が示唆された。そこで、このようなプロバイオティクスの効果をその代謝産物から評価するため、NMRを用いたプロバイオティクス投与マウスの糞便中代謝物の網羅的プロファイリング技術を確立した。その結果、前投与によりO157感染死を予防できるビフィズス菌2菌種(B.longumを含む)と予防できない2菌種(B.adolescentisを含む)を同定し、マウス糞便中の代謝物が感染死予防能と相関してクラスタリングできることを見出した。
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