研究課題/領域番号 |
18890023
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研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野川 徹 東北大, 大学病院, 助手 (50431557)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,740千円 (直接経費: 2,740千円)
2007年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
2006年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
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キーワード | がん / 予後因子 / 輸送体 / LST-2 |
研究概要 |
東北大学病院における予後の明らかな乳癌手術検体102例(平均観察期間106ヶ月)を用いて、作製したLST-2特異的モノクローナル抗体にて免疫染色を行い、浸潤癌のimmunoreactivityの評価法に従い浸潤部での10%以上陽性をLST-2陽性と診断し、年齢・閉経前後・腫瘍径・Stage・histological grade・メソトレキセート(MTX)使用の有無・ER・PR・STS・EST・17βHSD type1・Ki-67・HER2などの臨床病理学的因子との相関を解析した。 申請者が単離したトランスポーターLST-2は、半数の51例の癌細胞膜に発現していた。また陽性症例の予後は有意に良好で、かつ再発も少ないことが明らかとなった。しかもその発現は、腫瘍径や増殖関連抗原Ki-67と逆相関し、閉経後乳癌では著明であった。さらに単多変量解析にて既知の乳癌予後因子を越える優れた独立予後規定因子になることが判明した。 またLST-2を発現した乳癌細胞株はエストロン硫酸抱合体(E1-S)を濃度依存性かつ飽和性に癌細胞内に取り込み、STSの作用により速やかに活性型エストロゲンであるエストラジオール(E2)濃度が上昇した。 以上より、乳癌におけるLST-2の腫瘍生物学的意義には、「MTXの癌細胞内への有意な取り込みとその殺細胞効果」と「癌細胞内のエストロゲン局所合成の主経路におけるE1-Sの取り込みによる癌細胞増殖制御効果」が大きく関与していると考えられた。 上記研究成果は、第105回日本外科学会総会定期学術集会(シンポジウム)、第44回日本癌治療学会総会(シンポジウム)、AACR annual meeting2007(Los Angeles)で発表し、Cancer Scienceへ投稿し、まもなく掲載予定である。
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