研究課題/領域番号 |
18890097
|
研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
兒玉 哲也 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00432443)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,740千円 (直接経費: 2,740千円)
2007年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
2006年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
|
キーワード | 可視化 / 分子認識 / 核酸 / ストレス / 有機化学 |
研究概要 |
2重鎖DNA中の8-ヒドロキシグアニン(8-OH-G)を3本のHoogsteen型水素結合により認識する人工核酸(TFO)として、ジアミノピリジンヌクレオシド類縁体を設計した。また、そのヌクレオシド類縁体を、安価なグルコースを出発原料として合成したアルドース誘導体と、別途調製したトリアニオン化ジアミノピリジン誘導体の縮合反応を鍵反応として合成した。さらに、合成したジアミノピリジンヌクレオシド類縁体をオリゴヌクレオチド(ON)中に導入するため、アミダイト体へと変換した。 合成したアミダイト体を用いて8-OH-G認識プローブの合成を検討中、一部の官能基がアセチル基で置換されたONを合成できることを予期せず見いだした。合成したONの8-OH-G認識能を、さまざまな塩基対を有する2重鎖DNAに対する3重鎖核酸としての融解温度(T_m)を測定することで評価したところ、8-OH-G/C塩基対を含む二重鎖DNAを認識する性質がアセチル基の有無により変化することを明らかにした。このことは、導入されたアセチル基近傍の空間が3重鎖核酸形成に大きく影響することを示唆しており、次世代化合物の設計に有用な知見である。また、8-OH-G/C塩基対を含む二重鎖DNAに対するT_m値は、それを含まない二重鎖DNAに対するT_m値に比べ約5℃高く、8-OH-G/C塩基対選択性を持ち合わせていること、即ち、天然の塩基対とは安定な三重鎖を形成しないことを明らかにした。 また、8-OH-G認識プローブをアンチジーン法などへ展開するため、既に当研究室で開発した架橋型人工核酸(BNA)修飾することでDNAとの結合性を強化した。さらに核酸を蛍光ラベル化しゲル電気泳動による分離を行うことで、合成したONが8-OH-G/C塩基対を含む二重鎖DNAと強固に結合し、8-OH-G除去酵素による8-OH-G除去を阻害可能であることを視覚的に判断することに成功した。
|