研究課題/領域番号 |
18890102
|
研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川本 弘一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30432470)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,740千円 (直接経費: 2,740千円)
2007年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
2006年度: 1,370千円 (直接経費: 1,370千円)
|
キーワード | 異種移植 / ブタ膵島 / 超急性拒絶反応 / α-gal抗原 / non-gal抗原 / 機能グライコミックス / 糖鎖 |
研究概要 |
1型糖尿病に対する新規治療法として膵島移植が注目されているが、ドナー不足のため広く定着していない。異種膵島移植は、慢性的なドナー不足の解決法の1つであるが、ブタ膵島上に発現している異種糖鎖抗原(α-gal epitopesは発現していない)と移植後レシピエントで産生される抗ブタ抗体(anti-nongal Ab)とによって惹起されるdelayed rejectionが長期生着の障壁となる。先頃、超急性拒絶反応の最大の原因とされるα-gal抗原をノックアウトしたブタが作製され、異種移植研究におけるブレイクスルーとなったが、異種膵島移植においてもノックアウトブタをドナーとすべきか異論のあるところである。今回の研究では、マウス、ラット、ブタより分離した膵島におけるα-gal抗原、non-gal抗原の候補と目されているHanganutziu-Deicher(HD)抗原の発現量をウェスタンブロットにて解析した。【結果】これまでの報告では膵島にはα-gal抗原は発現していないとされていたが、ブタ分離膵島にはα-gal抗原の発現を弱いながらも認めた。今回確認されたα-gal抗原は、膵外分泌細胞あるいは膵島内血管内皮細胞に発現しているものをdetectしたと考えられる。またブタ膵島にはHD抗原の発現も確認された。【結論】α-gal、HD抗原を含めた糖鎖抗原は、たとえ膵内分泌細胞に発現を認めずとも、外分泌細胞や血管内皮細胞には発現しているため、異種膵島移植の際に問題となる可能性があり、膵島移植においてもα-galノックアウトブタをドナーに用いるべきと考えられた。またnongal抗原に対しては異種糖鎖抗原のさらなる解析を進める必要があり、ヒト糖鎖とブタ糖鎖の種差を網羅的に解析し、糖鎖をヒト型に改変する必要があると考える。
|