研究課題/領域番号 |
18890131
|
研究種目 |
若手研究(スタートアップ)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山崎 貴男 九州大学, 医学研究院, 特任助教 (70404069)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,760千円 (直接経費: 2,760千円)
2007年度: 1,380千円 (直接経費: 1,380千円)
2006年度: 1,380千円 (直接経費: 1,380千円)
|
キーワード | 軽度認知機能障害 / アルツハイマー病 / 認知症 / 視空間認知障害 / 運動視 / オプティックフロー / 事象関連電位 / 運動認知閾値 |
研究概要 |
【目的】アルツハイマー病(AD)に特徴的な視空間認知障害を詳細に検討できる運動視刺激を用いた心理物理学的閾値測定および事象関連電位(ERP)により、非侵襲的に簡便に軽度認知機能障害(MCI)の潜在的な視空間認知(運動認知)障害を見出すことで、ADに移行する可能性があるMCIを早期に診断し早期治療に貢献する。【方法】昨年度は、健常老年者とMCI患者において、黒色の背景画面上に400個の白色ドットからなる水平方向(HO)、放射状方向(OF)運動刺激を呈示し、共同運動レベル(5-70%)を変えて、HOの動き方向の判別(左/右)[HO(L/R)]、OFの動き方向の判別(湧き出し/吸い込み)[OF(IN/OUT)]および中心位置の判別(左/右)[OF(L/R)]の課題を行い、運動認知閾値を測定した。またHOおよびOF刺激を呈示しERPを記録した。その結果、MCI患者では健常者に比べOF(L/R)で特異的に認知閾値が上昇し、OFに対するERP反応も低下することが明らかになった。本年度は、AD患者20名、その他の認知症(前頭側頭型認知症(FTD)1名、脳血管性認知症(VD)1名、レビー小体型認知症(DLB)1名、混合型認知症(Mixed)3名)患者およびうつ病患者2名に同刺激を用いて運動認知閾値を測定した。【結果】AD患者はMCI患者に類似しOF(L/R)で特に閾値が高い傾向があったが、DLB患者とMixed患者は全ての刺激に対する閾値の上昇を認めた。FTD患者、VD患者やうつ病患者では全刺激で明らかな閾値の上昇は認めなかった。すなわち、OF(L/R)で他の刺激に比べ閾値が上昇しやすいというMCIでの特徴は、AD以外の疾患では認められなかった、【結論】種々の運動視刺激を用いた心理物理学的閾値測定により、MCIを早期に見出すことができる可能性が示唆された。今回、MCI以外の認知症に対してERPを行うことはできなかったが、より客観的なERPを用いることで、より客観的な指標を見出せる可能性があり、今後ERPによる検討を行っていく予定である。
|