研究課題
若手研究(スタートアップ)
糖尿病において、皮膚創傷治癒過程の障害によって引き起こされる皮膚潰瘍が問題視されている。糖尿病患者の皮膚潰瘍は全身感染症の感染源ともなりえ、また糖尿病壊疽を引き起こすことにより時には肢切断という非常に憂慮し難い現実がある。今実験で丸山らは糖尿病マウスを用い、角膜リンパ管新生モデルにおいて、創傷治癒に関するリンパ管新生が低下していることを発見した。丸山らはmacrophageがリンパ管新生に重要な役割を示すことを発見していたことより、糖尿病状態に存在するmacrophageの機能に注目した。丸山らはmacrophageが高血糖下で、本来よりリンパ管誘導に関して機能が低下していることをreal time PCR法でVEGFR3,VEGF-C, VEGF-AのmRNAレベル発現の強さにより明らかにした。そこで、糖尿病状態にあるmacrophageに対して、高血糖状態を改善させ、適切な濃度の血糖値で培養することと培養時にIL-1betaで急性炎症状態を作り出すことにより、macrophageの機能を改善させることに成功した。丸山らはマウス実験において、糖尿病状態にあるmonocytes/macrophagesの機能をin vitroでIL-1betaにより回復させ、糖尿病状態の創部に機能回復したmacrophageを注射することによりリンパ管を誘導し皮膚創傷治癒を促進させることに世界で初めて成功した。さらに投与したmacrophageが直接新生リンパ管内皮を形成したため、創部の浮腫除去にも貢献したと考えられる。我々はこれらの実験結果を平成19年度4月に論文発表をした。また、現在臨床研究に応用すべく糖尿病患者の末梢血採取を当大学倫理委員会にて平成18年9月に承認され、現在患者の選定を行っている。
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