研究概要 |
1 国内調査[研究方法]:総合病院1施設,助産所3施設のフリースタイル分娩者729例を,分娩台長・カルテより分娩時体位,分娩所要時間,新生児の状態,分娩時出血量等を収集し,体位ごとに比較した.[結果]:初産294例において,水平体位よよ垂直体位や四つんばいが,仰臥位より有意に分娩時出血量が少ない結果であった. 2 国内調査[研究方法]:不意r-スタイル分娩の実施施設35施設,未実施施設67施設にアンケート協力を依頼した.同意の得られた実施病院21施設(459)人,未実施病院23施設(257人)の助産師を対象に調査(分娩体位の安全性に対する調査)を実施した.[結果]:有効回答数は368人(回収率51.4%)であった.フリースタイルは,実施施設の60%以上の助産師が行っており,約80%以上は今後も勧めていく意思がある.未実施施設では90%以上の助産師がフリースタイルを良いことだと感じており,60%程度が導入の意思があるものの,約17%が導入への問題を示唆していた.助産師学生時に,フリースタイルに関する講義を半数近くが受けているが,助産技術への不安をもつ助産師は,実施施設で約65%,未実施施設では約80%と高率であった. 3 海外調査[研究方法]:ドイツのフライブルグ市,ストゥットゥガルト市の開業助産師2名,バースセンター助産師1名,助産師学生1名に分娩体位と助産師教育に関する面接調査を実施した.[結果]:助産師教育課程でフリースタイル分娩の介助を行い,自由な体位を生理的と捉え,異常時の対応も自由な体位を問題視していないことがわかった.助産師自身の助産技術に不安もなく,2006年度に行ったイギリスの助産師への面接結果と同じ傾向を示した.
|