研究課題/領域番号 |
18F18704
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
澁谷 望 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30277800)
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研究分担者 |
BROWN ALEXANDER 日本女子大学, 人間社会学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2020年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2019年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2018年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
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キーワード | プレカリティ / 反原発運動 / 社会運動 / ケアの危機 / precarity / anti-nuclear movements / social movements / transnational Japan / Asia-Pacific / anti-nuclear movement / transnational / Japan |
研究実績の概要 |
最終年度にあたり、二つの軸に基づき、研究のまとめを行った。第一は、オーストラリアにおける反核・反原発ネットワークの調査を中心にした歴史・記憶の次元の調査である。前年度のヒアリングをまとめ、オーストラリアの運動が、様々なかたちで日本を参照し(原爆、福島)、また日本の運動と協力し、反原発をめぐる記憶・想像力・情動のグローバルな枠組みを構築していることが明らかになった。とくにオーストラリアの運動において、「オーストラリアのウランが福島の燃料となった」というスローガンは、ウラン採掘のためのオーストラリア先住民の土地の簒奪に対する闘争と、原発再稼働反対闘争を結びつける想像力をもたらした。ここから福島原発事故がグローバルな文脈で検討される視座が運動において構築されていることが明らかになった。 第二は日本の運動を中心とした現在の運動の調査である。おもに日本(東京)における「プレカリアート」の運動をサーベイすると同時に、コロナ禍における運動のあり方・変容を参与観察・言説分析などに基づき検討した。そこで見出された大きな変化として、運動のケア志向とでもいうべき方向への変化がある。この志向性は反原発運動などでも見られたが、コロナ禍のケアの危機においていっそう意識されてきた。このことは従来の非正規労働者(「プレカリアート」)像にも変化をもたらし、「ケア労働者(ケア提供者)」と「プレカリアート」が相互浸透しつつあるといえる。 これら2つの軸を突き合わせることによってみえてくるのは、社会運動において、労働における「プレカリティ」、原発や環境における「ヴァルネラビリティ」、コロナなどによる身体的な「ヴァルネラビリティ」(と「プレカリティ」)、そして社会的水準での「ケアの危機」、これらの争点が、拡張された「ケアリング」概念によって収斂しつつあるという傾向である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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