研究実績の概要 |
本研究の趣旨は、「教育現場等での実務に基づく研究等を対象とします」と表されている。この趣旨に沿って、高校生と数学研究を行い、学会で発表し、教員や社会人を対象とするワークショップを行った。 1. 組み合わせゲーム論のMax-nimにおいて、1つの山にある石の数を分数で割って切り上げで得られる数の石を取ることができる問題を考え、同じGrundy数を持つ石の数を求める、再帰的でない公式を発見した。また、組み合わせゲームのSlidingにおいて、隣り合ったコインがある時、右側のコインが左側のコインを押すことで一緒に左に動く”Slidng with a push”を考えて、後手必勝位置を公式化した。また、Slidingの変種でラグビーのパスに似た動きを行う”Rugby Nim”において、後手必勝の公式を作った。 確率論を用いた数学的ゲームにおいては、ロシアンルーレット(あるいは色の違ったカードを使うゲーム)において、ルールを一般化しても、パスカルの三角形的法則が成立することを発見して、証明することができた。これらの研究は数学の国際学会The 21th Japan Conference on Discrete and Computational Geometry, Graphs, and Games(マニラ)において、私と生徒からなる4組のチームが論文査読を通過して、研究発表した。 2. 数学の共同研究を数学教育に活かすために、ASEANの理数教育省の研究者と共著論文を出した。 3. Wolfram Conference OSAKA 2018において数学ソフトMathematicaを用いた高校生の数学研究について講演した。マレーシアのRECSAM(ASEAN理数教育省)において、私が講師、生徒がアシスタントを務めて、ASEANの教員53名を対象に、12時間のワークショップを行った。
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