1 研究目的 土系舗装の施工方法は、施工現場で、土、合材、水をミキサーで混練し、平坦に敷均した後に、振動ローラー等で転圧、養生の手順であり、豊富な経験と高度な技術が必要であった。近年、土と結合材を袋詰めにしたプレミックス品が開発され、そのまま施工現場に搬入し、舗装材を平坦に敷均し、噴霧器やジョウロ等で水をかけるだけの施工が増えている。特殊な機械を必要としない「施工が簡単、誰でも出来る」がキャッチコピーである。しかし転圧を行わないため、強度は低いと考えられる。元々土系舗装は、コンクリート舗装と比べ強度が低く、舗装表面の劣化や、冬期においては、凍害の問題があるため何らかの対策が必要である。コンクリート構造物に液体ガラスをコーティングする施工がある。土系舗装の高硬度化を目的に、液体ガラスを適用した場合、舗装表面の劣化および熱環境改善効果を経時的に測定し、液体ガラスの土系舗装への適用を試みる。 2 研究方法 まさ土、固化材の配合量を定量的に変化させ供試体を作製し、圧縮試験を行い、圧縮強さ2000kN/㎡を目安とし、適量配合を見出す。適量配合決定後、「散水」または「締固め」「液体ガラス有・無」の4工法で試験施工を行い、1)遮熱性試験、2)耐候性試験を行う。 1) 熱流センサーを用いて、熱の量と流れを測定し、アスファルト舗装と比較することにより熱環境改善効果を考察する。 2) 山中式土壌硬度計による表面硬度を定期的に計測することにより、経時変化を考察する。 3 研究結果 1) 夏期の日中と夜間では熱の流れが逆転し、夜間の放射熱はアスファルト舗装1/2の熱量であった。 2) 液体ガラス無しの場合、表面劣化が見られ、液体ガラスによる凍害防止の効果が見られた。 結果より、液体ガラスの土系舗装への適用は有効である。
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