• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

尿試験紙による尿細管機能障害のスクリーニング法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18H00391
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
審査区分 3180:医療薬学関連
研究機関東京大学

研究代表者

森田 賢史  東京大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師

研究期間 (年度) 2018
研究課題ステータス 完了 (2018年度)
配分額 *注記
430千円 (直接経費: 430千円)
2018年度: 430千円 (直接経費: 430千円)
キーワード尿定性検査 / ミオグロビン / 尿細管障害
研究実績の概要

【研究の目的】尿定性検査における尿潜血反応は通常、血尿のスクリーニングとして用いられているが、ミオグロビンにも反応することが知られている。ミオグロビン尿の場合、尿潜血反応が陽性にもかかわらず尿沈渣中に赤血球が出現しないことから“潜血赤血球乖離”をきたす。一方で、慢性腎臓病による腎機能低下に伴い、潜血赤血球乖離を認める例が散見され、尿中ミオグロビン定量の結果ミオグロビン尿を呈していることが考えられた。ミオグロビンは低分子蛋白であり、通常近位尿細管で再吸収されると考えられるため、α1-ミクログロブリン(α1M)などと同様に尿細管再吸収能を反映する分子となり得る。しかしこれらのバイオマーカーは院内検査として導入されている施設が少ないため、簡便に測定可能とは言えない。一方尿定性・沈渣検査は簡便かつ安価な検査であるため、この“潜血赤血球乖離”から尿細管機能障害を推定することができれば、スクリーニング検査として非常に有用と考えられる。したがって、本研究では“潜血赤血球乖離”から尿細管機能障害を推定するスクリーニング法の確立を目的とした。
【研究の成果】慢性腎臓病患者(eGFR<60)の残余尿検体154件を対象とし、潜血赤血球乖離を認めた検体は12件(7.8%)であった。尿中ミオグロビンは乖離群(1,801ng/mL)において、非乖離群(213ng/mL)に比べ有意に高値を示した(P<0.01)。また、ミオグロビンはα1Mと有意な正の相関を認めた(r=0.705, P<0.01)。以上より、慢性腎臓病患者においてミオグロビンによる潜血赤血球乖離を認める例が存在し、尿定性・沈渣検査から尿細管機能障害を検出することができる可能性が示唆された。ミオグロビンやα1Mなどのバイオマーカーは院内で測定可能な施設は少ないが、尿定性・沈渣検査は簡便かつ安価な検査であり、尿細管機能障害のスクリーニング法として非常に有用と考えられた。

報告書

(1件)
  • 2018 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 尿潜血と沈渣赤血球の乖離におけるミオグロビン尿の重要性2019

    • 著者名/発表者名
      森田賢史, 田中雅美, 久末崇司, 佐藤恵美, 小野佳一, 佐藤智明, 蔵野信, 矢冨裕, 宿谷賢一
    • 学会等名
      腎・泌尿器検査研究会 第15回学術集会
    • 発表場所
      国際医療福祉大学赤坂キャンパス(東京都中央区)
    • 年月日
      2019-03-23
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] 尿潜血試験紙におけるミオグロビン反応性の反射率による検証2018

    • 著者名/発表者名
      森田賢史, 田中雅美, 佐藤恵美, 久末崇司, 宿谷賢一, 曽根伸治, 蔵野信, 矢冨裕
    • 学会等名
      第67回 日本医学検査学会
    • 発表場所
      ホテルクラウンパレス浜松(静岡県浜松市)
    • 年月日
      2018-05-12
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書

URL: 

公開日: 2018-04-23   更新日: 2020-03-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi