研究課題
奨励研究
インフラマソームとは、病原微生物や代謝産物などの分子パターンを認識して活性化する細胞質内タンパク質複合体の総称であり、炎症性サイトカインであるIL-1βやIL-18の産生を誘導することで、炎症反応を惹起する。インフラマソームは、リガンドを認識するNod-like receptors(NLR)s、IL-1β前駆体を切断して活性化する酵素であるカスパーゼ1、それらのアダプター分子として働くASCにより構成されている。多くのNLRsが、遺伝性炎症疾患やメタボリックシンドロームと関連していると報告されている。現在、NOD1、NOD2、AIM2、NLRP3、NLRC4インフラマソーム構成タンパク質をコムギ胚芽無細胞合成技術により合成し、Alpha(Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay)で検出することにより、インフラマソームの試験管内再構築に成功している。このシステムを用いて、インフラマソームを直接阻害する分子を探索し、遺伝性炎症疾患に対する分子標的薬の開発を目指した。これまでに、NLRP3インフラマソームを標的とする化合物を選定するために、東京大学創薬機構から提供を受けたコアライブラリーを用いてスクリーニングを行った。得られた候補化合物については、HEK293T細胞にインラマソーム構成分子を発現するプラスミドを強制発現させる方法で効果の確認をし、さらにヒト末梢血での効果も確認した。最後に個体レベルで有用性を検討し、数種類の阻害化合物の候補物質を得た。また、その過程でインフラマソームと相互作用する未知タンパク質の存在を予想せざるを得ない結果を得たため、今後この未知タンパク質の解析も進めていきたい。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Inflammation and Regeneration
巻: 38 号: 1 ページ: 27-27
10.1186/s41232-018-0085-6
International Journal of Immunopathology and Pharmacology
巻: 32 ページ: 205873841878874-205873841878874
10.1177/2058738418788749
http://www.pros.ehime-u.ac.jp/section/09.html