研究課題/領域番号 |
18H00652
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
諏訪部 浩一 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60376845)
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研究分担者 |
後藤 和彦 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10205594)
阿部 公彦 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30242077)
中嶋 英樹 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (70792422)
木村 明日香 中央大学, 文学部, 准教授 (70807130)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 物語論 / ジャンル論 / 認知文学論 / 認知詩学 / 小説知 |
研究成果の概要 |
本研究は、「近代」に特有の文学形式である(「物語」からは区別される)「小説」特有の「知」のあり方を探求した。例えば代表者諏訪部は主として20世紀のアメリカ小説の展開を、純文学と大衆文学にまたがる形で考察した。著書『薄れゆく境界線』としてまとめられた研究では、さまざまな文学ジャンルを、その起源に遡りながら概観することで、第2次大戦以降の「小説」が体現する「知」の見取り図を提示した。その作業に続けておこなわれた連載「チャンドラー講義」(単行本化が予定されている)は、「ハードボイルド探偵小説」(という「知」のあり方)がモダニズム文学の時代に出現したことの必然性・重要性を、実践的に示すものとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「小説」という「ジャンル」への注目により、従来の「物語論」や 「文化研究」の成果を取り込んだ上で、「小説」特有の「知」を考察したところに現代的意義が認められる。代表者諏訪部の『薄れゆく境界線』は第二次大戦以後、21世紀の現在に至るまでのアメリカ現代小説を、日本においてはじめて「文学史」化した点に、最大の学術的・社会的重要性がある。「チャンドラー講義」は、一般読者のあいだでは人気を博しているものの「大衆小説」としてアカデミズムでは無視されてきた作品を、「純文学」が第二次大戦の前後で見せた変容と対応するものとして論じることで、単なる大衆小説の再評価という次元を超える射程を持つことになった。
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