研究課題/領域番号 |
18H00702
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
中沢 葉子 (並河葉子) 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10295743)
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研究分担者 |
奥田 伸子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (00192675)
鳥山 純子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (10773864)
吉村 真美 (森本真美) 神戸女子大学, 文学部, 教授 (80263177)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 女性 / 子ども / 帝国 / 奴隷 / 労働 / 移民 / フェミニズム / イギリス / 西インド / 家族 / ジェンダー / ケア労働 / 非ヨーロッパ世界 / 階級 / 人種主義 / アイルランド / 周縁 / 近代 / 感情労働 / 近代家族 / マイノリティ |
研究成果の概要 |
本研究では、19世紀のイギリス本国の下層階級や植民地の奴隷、20世紀のイギリスへの移民女性労働者など、周縁的な立場にいた女性たちの生の実態を分析し、彼女たちの思いとミドルクラス女性の推進するフェミニズムとの乖離を「家族」の在り方を中心に考察した。 欧米のミドルクラスのフェミニストが理想とする社会や「家族」の実現には、それを支える人びとの存在が不可欠であり、周縁的な立場の女性たちがそれを担った。ミドルクラス女性が救済対象とした女性たちは、フェミニストの理想とは異なる生を自身で戦略的に選択したが、資本主義的な社会の中で「家族」の離散やケアの収奪を経験した。フェミニズムの結果は立場により異なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イギリスなど近代ヨーロッパのミドルクラスに生成、定着していくジェンダー規範は欧米のミドルクラスに特殊なものであり、本国の下層階級や植民地の奴隷、移民女性には共有されなかった。文明化の対象とされた周縁的な立場の女性たちは受動的にそのような規範を受け入れたわけではなく、独自の生を戦略的に模索した。女性たちがフェミニズムによって統合されるよりも、それぞれの生の違いが固定化することになった。フェミニズム思想がグローバライズしても、ケア分野に対する不十分な経済的評価は変わらず、それを担う人々の周縁的な立場を固定化し、社会の再生産が危うくなる構造が生まれた。これは、現代の社会の問題に与える示唆も大きい。
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