研究課題/領域番号 |
18H00743
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
沼本 宏俊 国士舘大学, 体育学部, 教授 (40198560)
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研究分担者 |
山田 重郎 筑波大学, 人文社会系, 教授 (30323223)
柴田 大輔 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40553293)
西山 伸一 中部大学, 人文学部, 教授 (50392551)
眞保 昌弘 国士舘大学, 文学部, 教授 (60407202)
西秋 良宏 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (70256197)
小高 敬寛 金沢大学, GS教育系, 准教授 (70350379)
下釜 和也 千葉工業大学, 地球学研究センター, 研究員 (70580116)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | メソポタミア / テル・タバン / 楔形文字 / アッシリア / 古バビロニア / イラク / シリア / ミタンニ |
研究実績の概要 |
シリア、テル・タバンの97~99年の調査で出土した中期アッシリアから新アッシリア時代(前13~7世紀)の土器を中心とした遺物約1000点の実測図化・トレース・写真撮影・図版作成を行った。発掘調査報告書の出版に向けて全調査資料を見直し、出土遺構・遺物の精査を行った。05~10年の調査で出土した古バビロニア時代(前19,18世紀)、ミタンニ時代(前16-14世紀)、中期・新アッシリア時代の未公表の重要遺構と遺物に焦点を置き研究分析を実施した。1)古バビロニアの建築遺構の機能究明、出土土器を分析し出土品と他遺跡の出土品と比較検討し編年付けを行った。2)中期アッシリアの出土土器を精査し出土層位から変遷・編年を構築した。3)中期アッシリアの王宮建物跡から出土した遺物の分析と作図・図版作成、さらに同建物跡の築造年代と変遷を分析し、タバンの歴代王の誰が建造したものか究明した。 東大総合研究博物館に保管されているイラク、テル・サラサート1号丘出土の古バビロニア時代の土器資料の整理分析を実施し、出土層・出土地点別に分類し各種土器の組成について究明した。テル・タバン出土の同時代の土器と比較検討した結果、前19世紀初頭に編年付けられることが判明した。 イラク、クルディスタンではコロナ禍により前年度は実施できなかったヤシン・テペ遺跡の調査を、2021年10月に3週間実施した。今回は本格的な発掘は実施せず、高解像度衛星データを使用し遺跡周辺地域の踏査を行い、青銅器時代、鉄器時代、ササン朝、イスラーム時代の居住区の広がりを確認した。他に同遺跡のアクロポリスの城門跡の石組み建造遺構の3Dデータ図面を作成した結果、ヴォールト天井の部屋が二つ並列した特殊構造であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
イラク、クルディスタンで予定していたシャカル・テペ遺跡の発掘調査はコロナ禍により実施することができなかった。故に当初予想した大きな研究成果をあげることができなかった。 国内の日本隊発掘資料の整理・研究分析については、国士舘大学に保管しているシリア、テル・タバン出土資料の研究分析に関しては順調に進展している。東京大学総合研究博物館に保管されている東大イラク・イラン調査団が発掘したイラク、テル・サラサートの資料の整理・分析もほぼ順調に進んでいる。古代オリエント博物館に保管されているシリア、テル・ルメイラの資料分析は、担当分担者が他研究機関に移籍したため研究分析の進展は遅れている。 テル・タバン出土の古バビロニアと中期アッシリアの楔形文字文書の研究分析の文献研究班は、テル・タバンの文字資料に関した論文公表、成果発表を随時行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も東京大学総合研究博物館、古代オリエント博物館、国士舘大学が保管する北メソポタミアの歴史時代の土器資料の研究分析に重点を置きつつ、並行しイラク、クルディスタンの二つの遺跡の発掘調査を実施する。 イラク、クルディスタンの発掘調査はコロナも収束しつつあり、2022年度は二つの遺跡の発掘調査は可能だと思われる。 特に東大博物館に保管されているテル・サラサート1号丘出土の古バビロニア時代の土器の整理・分析を重点的に行い、テル・タバンや他遺跡の資料と比較検討する必要がある。 今後はテル・タバン資料と他地域遺跡との資料を詳細に分析・比較検討し、北メソポタミアの土器編年の確立を目指したい。研究成果の公表が遅れているので早急に公表できるよう努めたい。
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