研究課題/領域番号 |
18H00767
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
丸山 浩明 立教大学, 文学部, 教授 (50219573)
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研究分担者 |
北村 暁夫 日本女子大学, 文学部, 教授 (00186264)
ドナシメント アントニー 東海大学, 語学教育センター, 講師 (30734991)
山本 充 専修大学, 文学部, 教授 (60230588)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | トランスナショナリティ / 移民 / ブラジル / パラナ州 / 非同化適応戦略 / カストロ市 / 同化論パラダイム / コンタクトゾーン / トランスナショナリズム / イタリア系 / 北パラナ / カストロ / カストロランダ / テラノーヴァ |
研究成果の概要 |
本研究では、多民族国家ブラジルの中でも、特に多様な民族構成を示すパラナ州カストロ市を事例に、その主要な民族集団であるドイツ系・イタリア系・オランダ系・日系の越境的で間国家的な移民像を比較検討した。ドイツ系やオランダ系は、言語、宗教、生業、年中行事などに祖国との緊密な紐帯が維持されており、多国籍で重層的なアイデンティティが現在も維持されている。一方、日系やイタリア系はブラジル社会への同化・統合がより進んでいる。とくにイタリア系は、個人や家族レベルでその出自を知悉しているものの、民族的組織での活動はほとんどみられない。居住地や生業の選択にも、出自に関わる民族集団間の明確な差異が確認できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国家の枠組みは、歴史的に大きく変動を続けている。そのため、各移民集団の特性を現在の国家的枠組みで議論することは有意ではない。移住時の状況に即したより精細な出自を背景とする、移民の民族性に着目した分析が肝要であることを実証した。また、従前の「同化論パラダイム」に依拠した移民研究の限界を越え、多様な国家・民族間のはざまで、自らの他者性や異質性を利用して生きるトランスナショナルな移民像の実証的解明に迫った。今日、分断を深める多民族国家の惨状を目撃するとき、多様な移民集団が独自のトランスナショナリティを発揮し、協働して移民社会を創成してきたカストロ市の事例は、分断解消の重要な示唆を与える。
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