研究課題/領域番号 |
18H00783
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩谷 彩子 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90469205)
|
研究分担者 |
宇田川 彩 東京理科大学, 教養教育研究院, 講師 (20814031)
滝口 幸子 城西国際大学, メディア学部, 准教授 (30615430)
左地 亮子 (野呂) 東洋大学, 社会学部, 准教授 (50771416)
黒田 晴之 松山大学, 経済学部, 教授 (80320109)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
|
キーワード | 想起 / 記憶 / 媒体 / ディアスポラ / 共同体 / ロマ / ユダヤ人 / 「ジプシー」/ロマ / 転置 / ジプシー / 文化人類学 / ホロコースト / モニュメント / アーカイヴ / 音楽 / ユダヤ / 「ジプシー」 |
研究成果の概要 |
本研究は、ユダヤ人とロマ/「ジプシー」という移動と離散を余儀なくされてきたディアスポラ共同体を例に、彼らが用いる想起の媒体を通して共同体の枠組みが想起される契機を考究するものである。彼らの想起の媒体は、それぞれが置かれた環境に応じて異なる様式を取り込みながら、あるいは過去のみならず未来の潜在的な可能性をたたみこみながら〈現在〉を創出してきた。さらに、共同体の起源やトラウマ的な出来事を一元的に想起させることの困難さを通して、想起の媒体は逆説的に他者とのつながりを生み出し、ディアスポラ共同体の生成と持続を支えていた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユダヤ人とロマ/「ジプシー」は、前者は文字文化、後者は口承文化が強調され、そうした違いが国家建設を含む共同体の想起のあり方を左右するとみなされ、彼らに対する反感や抑圧の一因にもなってきた。しかしさまざまな想起の媒体を通した実践を精査すると、どちらの共同体にもナショナリズムに通じる連帯の動きがみられる一方で、起源に収斂しない想起も生まれていた。共同体にとってのトラウマ的な出来事や単一の起源を想起することの困難さは逆説的につながりを喚起し、ディアスポラ共同体の持続と生成を支えていたのである。この点は、異なる社会背景のもとで転置を経験してきた人々に広く共通する、共同体の創出の契機として考えられる。
|