研究課題/領域番号 |
18H00926
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻 大介 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (50292785)
|
研究分担者 |
田辺 俊介 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30451876)
三浦 麻子 関西学院大学, 文学部, 教授 (30273569)
小笠原 盛浩 関西大学, 社会学部, 准教授 (00511958)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 世論形成過程 / 集団極性化 / ネット社会 / 民主主義 / 調査研究 / 情報行動 / 政治意識 / 社会意識 / 世論形成 |
研究成果の概要 |
2019年に実施した全国調査(18~69歳を対象に層化2段無作為抽出、有効回答1094ケース)のデータを分析し、(1)インターネット利用は政治的先有傾向による情報の選択的接触を促すが、その効果は限定的なこと、(2)ネット利用による政治的態度の分極化は政策争点ベースよりも感情ベースの可能性が高いこと、等々の知見を得た。また、2017~19年に実施したウェブパネル調査のデータ分析からは、(3)限定的ながらソーシャルメディア等の利用が民主的世論形成過程の基盤となる他者への信頼や寛容性を促す効果をもつこと、(4)右派系サイト利用と憲法9条改正への賛否に双方向因果が認められること、等々を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インターネット利用が市民の政治的態度を分極化(二極分化)させるかを、社会調査データから検証した研究例は海外でもわずかであり、本研究は無作為抽出による信頼性の高いデータを用いた日本初の試みである。分析の結果、先行研究の論争点であったネット利用による情報の選択的接触および分極化効果は支持されたが、選択的接触と分極化の連関については否定的な知見が得られたことは、大きな学術的貢献と言えるだろう。また、ネットによる政治的分極化は政治的思想信条よりも党派的感情に基づく可能性が示唆され、高度情報社会における民主主義的世論形成を「分断」しかねない問題点を明らかにしたことは、社会的にも有意義な知見と考える。
|