研究課題/領域番号 |
18H01142
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 熊本大学 (2020) 京都大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
松田 和博 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (50362447)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2018年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 液体金属 / 非弾性散乱 / 電子状態 |
研究成果の概要 |
液体金属における価電子挙動の微視的解明を目的とし、価電子ゆらぎの時空相関関数スペクトルである電子動的構造因子を実験的に観測することにより課題解決を試みた。測定手法として、放射光による非弾性X線散乱を用いた。溶融状態にあるアルカリ金属液体のリチウム、ナトリウムを対象として、幅広い運動量移行とエネルギー移行範囲にわたってスペクトルを取得することに成功した。得られた動的構造因子から、これまで実験的に測定するすべがなかった有限波数における静的電子密度応答関数、および動的応答関数を導出し、さらにそれらを利用した試験点電荷に対する実空間・実時間における価電子の遮蔽ダイナミクスを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属元素の中でも最も自由電子的なアルカリ金属を対象として、溶融状態を長時間安定に保持する試料セル技術と、放射光を用いた非弾性X線散乱とを組み合わせることにより、液体リチウムにおける電子密度応答関数を実験的に初めて導出した。測定対象を電子ガスモデルのプロトタイプ系であるアルカリ金属としていることが大きな特徴である。電子密度応答関数は、電子間の相互作用を反映する重要な物理量であり、密度汎関数法などの理論計算手法においても、交換相関効果の基礎を与える。本研究における実験で得られた電子密度応答関数に関する知見は、電子間相互作用の理解を、実験的立場から深化させていく上で有用な情報となり得るものと考える。
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