研究課題/領域番号 |
18H01161
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 中央大学 (2020) 東京大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
橘高 俊一郎 中央大学, 理工学部, 准教授 (80579805)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | エントロピー / 比熱 / 磁気熱量効果 / 磁場回転 / フラストレート磁性体 / スピンアイス / 磁場角度依存性 |
研究成果の概要 |
磁場回転や磁場掃引に伴う磁気熱量効果を極低温・準断熱環境下で精密測定できる熱量計を開発し、エントロピーの磁場角度依存性を従来よりも高速かつ高分解能に測定することに成功した。この装置を用いて、スピンアイス物質Dy2Ti2O7の磁場角度分解エントロピー測定を行い、スピンフリップ転移の角度依存性の可視化に成功した。また、擬カゴメ近藤格子CeRhSnの磁場角度分解エントロピー測定を行い、擬カゴメ格子面からごく狭い磁場角度範囲で高磁場まで非フェルミ液体的性質が保たれることを見出した。開発した装置は、強い異方性を持つ多極子伝導体や非従来型超伝導体など、他の研究にも応用し、新たな研究課題の開拓にも繋げた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エントロピーは系の縮重度を反映する基礎的な熱力学量である。本研究では、準断熱環境下で磁場回転に伴う試料の温度変化を精密に測定できる装置を開発し、従来の手法に比べて高速かつ精密にエントロピーの磁場角度変化を調べることを可能にした。これにより、異方性の大きな系で発現する新奇物性機構に迫る新たな実験手法を確立することができた。本装置を用いればエントロピーの温度-磁場-磁場角度マップを作成することができ、特定の磁場方位で観測される新奇現象の探究と解明に取り組むことが可能である。実際に、フラストレート磁性体や多極子伝導系の研究に応用し、物性機構の解明に貢献した。
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