研究課題/領域番号 |
18H01162
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小形 正男 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (60185501)
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研究分担者 |
苅宿 俊風 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (60711281)
松浦 弘泰 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40596607)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2018年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 多バンド効果 / 軌道磁性 / 輸送係数 / バンド間効果 / ノーダルライン |
研究成果の概要 |
固体中の電子は無限個のバンドの途中まで詰まっている状態である。多くの場合はフェルミ面付近の単一バンドだけで物性が理解されるが、磁気応答や輸送現象の中には、多バンド間の効果によって初めて理解できるものも多い。最近、ディラック電子系物質や励起子絶縁体の候補物質などにおいて、バンド間効果による特異な応答が理論的に明らかになってきた。本研究では、多バンド間効果という統一的な観点から以下の4点を明らかにした。(1)磁場下の電気伝導度に対する多バンド効果、(2)局在ワニエ軌道と相性のよい軌道帯磁率の公式の導出、(3)いつくかのノーダルライン物質の物性の解明、(4)励起子絶縁体と光誘起ダイナミクス。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多バンド効果という統一的な観点から、磁気応答や輸送現象、光誘起ダイナミクスについて種々の研究成果が得られた。とくに磁場下での輸送係数に対する多バンド効果の一般論や、局在軌道を用いた軌道帯磁率の新公式が得られたことは、今後の応用が期待できる。さらに、いくつかのノーダルライン物質の物性が明らかになったが、これらはノーダルライン物質の特定、新奇物性の開拓に役に立つと考えられる。また励起子絶縁体の熱応答特性、光誘起ダイナミクスによるトポロジカル相転移やディラック点のコントロールなども、さらなる研究の発展に役立つ。今後、系統的に新奇性能をもつ物質材料を創り出すときの指針に繋がると期待される。
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